早くすべてを干してしまわないと、やることはいくらでもある。歩美は効率を考えて乾いた小物を一気に取り込み、空いた場所に残りのシーツを広げて伸ばしていく。最後の一枚を片付けてしまうと、また両腕を伸ばして背伸びをした。
青空に白い雲が浮かび、肌に程よい風が触れていく。仕事をするのが勿体ないような日差しに片手を翳し、上昇気流に乗って空高く上がっていく鳥を見て、あれはトンビだろうかとぼんやりと思った。
後ろ手一纏めにした髪の毛を解き、髪の毛が風になびく爽快感にそっと目を閉じる。どうせ今日はすることが決まっている、もう少しだけこの日差しと風に当たってから戻ろうかしら………。
そんな呑気に構える歩美を、後ろから見詰める男がにじり寄る。
一纏めにした髪の毛が解かれると、意外に長いことが分かる。後ろは肩が隠れる長さだから、前はやはり鎖骨にかかる長さだろう。ナースキャップが廃止され、頭の様子がそのまま分かる今、彼女は前髪を敢えて作らないワンレングスであることが見てとれる。
どことなく童顔の名残を漂わせる彼女は若い頃には大人っぽい印象を人に抱かせ、年齢を重ねた今は逆に若い印象を抱かせる。二の腕にもお腹周りにも贅肉のないボディスタイルが、尚更その若さ助長させているのかもしれない。
誰の目もないと思ってか不意に彼女が自らの身体を気にするように、それぞれの手を脇腹に当てたかと思うと、そのまま上へと這わせながら胸まで滑らせる。まるでフランス映画のワンシーンのように艶かしく、男はごくりっ……と唾液を飲み下した。
緊急避妊薬を服用する回数が増えて太り気味だった身体が、努力の末にやっと元のスタイルに戻せたことになったホッとする。このところセックスにのめり込む自分が怖くなり、身を引いていたのだ。薬を服用しなければ副作用の影響は止まり、後は脂肪を減らせばいいのだから元通りになって当然なのだけれど。
それにしても排卵期に入った身体が疼き出している。生理の始まりからが終わって数日が経つまで性欲を我慢するのかと思うと、甚だ憂鬱だった。
午前中など虫垂炎の患者が手術前とあって下の毛を処理をしたのだけど、さすがに高校生だけあって見事に勃起をしてくれた。
あれには自分を抑制するのに内心で苦労をさせられ、毛剃をするのにペニスを避けるのに手で倒さねばならず、触れるのが辛かった。だって握り締めたくて、そうなったら擦ったり口に含んだりとあるやこれやをしたくなるではないか……。
思い出すだけでも胸がドキドキして、年甲斐もなく身体が熱くなる。これは精子との受精をそれとなく促す脳の司令で、身体が発情しているに過ぎないと歩美は自分に言い聞かせる。哺乳類の中で交尾…言い換えればセックスをコントロールできるのは人間だけなのだから。
不意に背後から迫りくる人の気配に振り返ろうとした歩美が口を塞がれ、身体を身動きできないようにされてしまう……。
そして恐怖に慄く歩美は、何者かの囁き声を耳元に聞く。
お願いだから、騒ぐなよ……
少しだけ、少しだけだから………
威勢のよさとは裏腹に女性を怖がらせる罪の意識に脅し文句は説得力はなく、本来の木の弱さが見え隠れする。口を塞ぐ手も力が弱く、指の間から歩美の言葉が口をつく。
誰だかは知らないけど、落ち着いて……
貴方を困らせたくないけど、あたしには仕事があるの……
その歩美のしっとりした口調に、男はどこか聞き覚えがある気がした。この病院に入院したことはあるが、あれはもう8年前のこと。当時は高校生で、あるナースが世話をしてくれた思い出があった。だからそのナースに憧れ、邪な想像だってしたものだ。若いというには歳上すぎて、おばさんというには違う気がする。
今になって30前後だろうと想像できるが、気さくな人で笑顔が可愛らしかった。思春期でぶっきらぼうな自分を優しく扱ってくれて、本当は嬉しかった。なのに最後まで恥ずかしくて礼の言葉を言えなかった。それだけじゃなくあの色気にやられて卑猥な想像を繰り返し、そのたびに罪の意識でまともに顔を見られなくなったのだ。
告白したところで叶うはずはなく、淡い片思いもセックスも叶うことはなかったのだ。あれからもう8年、さすがにあの人はもうこの病院にはいないだろう。その面影を追ってこの病院に足を向けて、あの人のイメージをこの重ねるのにちょうど合うナースにやっと出会ったのだ。
ねぇちょっと聞いてるかしら……?
騒いだりしないから……振り向くわよ……?
ゆっくりと身体を回転させた歩美と、彼が顔を合わせる。その顔を見て、歩美はどこかで見た顔だと頭を回転させる。どこで見たのだろう、一体どこで……。
彼もまた年齢を重ねた歩美の顔を間近に見るにつけ、あれ………っと、不意を突かれた気分になる。初めて見た気がしないのだ。眉の形が少しだけ変わり、髪の毛の色が茶髪から黒髪になり、長い髪を後ろで団子にしてナースキャップを付けたとしたら、この口元の黒子は………。
色黒の肌が白くなり、短髪だった髪の毛にアイロンパーマをかけた髪型に変わり、少し精悍さが加わった顔つき、気が弱いのに強がる態度、そしてこの二重まぶた、この口調は………。
○○くん………?ちょっと○○くんでしょ……?
ちょっと何やってんのよ………?
私のこと、覚えてない……?
ほら、貴方が高校生のときに入院してきて……
青天の霹靂とは、このことだと思った。目の前のこの人は、間違いなくあの時の憧れのナースその人だと確信していた。終わった、そう思った。
どうせ然るべき所に突き出されるのだから、あたふたせずに素直に白状しようと男は決めた。これが憧れの人に対するせめてもの筋であり、最後まで醜態をさらすのは御免だから……。
そうだよ、あの時の生意気なガキは俺だよ……。
まさかまだこの病院で働いてるとは、思わなかったよ……。
どうしてこんなことをするの、ねぇ……?
どうして、か………ふふっ
男は自虐的な含み笑いを見せた後、ぽつり、ぽつりと語りだした。入院したときにお世話になって、本当は感謝していたこと。歩美に憧れを抱いて勝手に失恋をしたこと。仕事が上手くいかず、むしゃくしゃしたときに歩美を思い出したこと。
何もかもが上手くいかなくなり、もうとっくにいないであろう歩美の思い出を探しに、この場まで来たこと。自分などどうなってもいいと屋上に来たら、歩美に似たナースを見つけ近づいたこと。
如何わしいことをしようとしたけれど、自分にはそんな勇気はなかったと気付かされたこと。まさか襲おうとした相手が、憧れた歩美本人だったとは気付かなかったこと。自分は良い人間ではなく、あの時も歩美に対し邪な気持ちを抱き自分を嫌悪したこと………。
歩美は黙って彼の話を聞いて、気持ちの整理をしながら溜息をつく。憤りと何だか分からない気持ちが交錯し、どうすべきか頭を回転させる。今ここで彼を当局に突き出すのは簡単なことで、果たしてそれは彼が立ち直るのに役立つのか………。
少なくとも歩美の考え方次第では被害はなく、彼は踏み止まった。まだ彼は、引き返せるはず……。
そして彼はまだ悪人ではなく、良い人間ではないのは歩美の方なのだ。彼に憧れるには値せず、その資格もまたないはずである。
ねぇ聞いて、あたしはね……憧れるような人間じゃないのよ……?
詳しくは言えないけれど、そんな資格のある女じゃないの………
もしその理由を聞いたら、幻滅するはずよ……
じゃあ、言わなくていい……
俺にとってあんたは素敵な人で、今でも好きなんだ……いいだろ、勝手に思うだけならさ………
歩美はどこまでも純粋なこの若者が愛おしくて、未だこの自分に憧れを抱く愛すべき馬鹿を抱き締めていた。
男は歩美の予想外の行動に動揺し、身体が固まってしまい動けなくなった。柔らかい胸が押し付けられ、薬品の臭いを纏わせた女の体臭と身体の温もりに、分身が膨張をしはじめたのだからいささかバツが悪い……。
歩美は下腹部の変化に気づき、彼の耳元で囁く。
ねぇ私のこと、そんなに好きだったの……?
邪なことって、そんなに私って魅力的だった……?
彼は言葉を詰まらせ返答をする代わりに、完全に股間を硬くさせていた。
教えてあげる、今の私がどんな女なのかをね……
抱き締める腕の力を緩め、そのまますぅ~っとその場にしゃがみ込んだ歩美は、彼のカーゴパンツのボタンを外してチャックを引き下ろす。
あたふたする彼を歩美は気にもせずペニスを取り出し、躊躇なく口に含んだ。半分被った包皮を剝いて唇を密着させると、歩美の頭が上下に動き出す……。
洗濯物のシーツが風に揺れ動き、その向こう側で見舞客……患者の家族だろうか、子供のはしゃぐ声がする。憧れのナース歩美はまるで葡萄の果汁が発酵熟成をした後にワインへ変化するように、失った若さを円熟した色気に変化させ、女としてさらに魅力を増していた。少なくても彼にはそう感じさせ、実際にあの時よりも魅力的な女性になっていた。
絡みつく舌、纏わりつく唇。それらが亀頭を捉えて粘液を湧き出させ、顔を横にした歩美が陰茎を咥え、舌を上下に這わせる。
唾液に濡れた部分が風に吹かれて涼しさを感じさせ、乾く前に歩美の唾液が重ね塗りされていく。
唇を吸い付かせ頬を凹ませた歩美が首を振り、口が亀頭の形に膨れては……ぬぷっ…ぬぷっ……と唾液と粘液で滑る粘膜の卑猥な音が、風に掻き消されて消えていく。
あぁ~…愛美さん、もう……俺……保たないよ……
聞く耳を持たないかのように歩美は首を振るのを止めようとはせず、太腿を掴んだ指に力を込めてフィニッシュへと向い速度を上げていく。
手を固く握りしめ、歯を食いしばる彼がついに堪えかねたように歩美の頭を抱えると一瞬、身体を弾ませた。2度3度と腰を突き出し、歩美の口の中で脈動するペニスが、次々に白い樹液を吐き出していく。
それを綺麗に吸い取り口の中に溜めた歩美が口を離し、彼の見ている前で飲み下して見せる……。
ふふふっ……すっごく濃いのね………
どうだった……?
あの頃と変わらない笑顔を浮かべた歩美にそう聞かれた彼は「毎日でもされてみたい」と正直に答えるものだから、思わず苦笑をしてしまった。
それであまり時間はないけど、どうする……?
歩美のその言葉に、彼はこう答えた。
歩美さんのそこを、クンニしたい……と。
仕事中だからシャワーも浴びてないのよ、そう諭しても彼の気持ちは変わらなかった。
2人はすぐ横の給水塔の前に移動をすると、そこに背中を預けた歩美がしゃがみ込んだ彼の肩に片脚を乗せる。ワンピースの裾を上げて中に頭を入れた彼に、夢のような光景が飛び込んできた。
部分的に透けたスケルトン素材の小窓が備え付けられ、レース仕立てのそこから海藻のような恥毛が黒々とした姿を主張をしている。お尻に回した手が半分ほどしか覆っていないハーフバックの布を捉え、目の前にはオリモノシートがその形を浮かび上がらせている。
また興奮をさせたのはパンティストッキングではなく、セパレートタイプだったこと。残念ながらガーターベルトの姿まではなかったけれど、それはAVか海外映画の世界であり、下着のラインを隠したがる保守的な日本では期待するほうが野暮である。
彼は少し迷った末に下着を下げて片脚を一旦肩から降ろし、再び担ぎ上げた。裏返した下着のそこに乾いていないオリモノがベッタリと付着する、そのシートを剥がしてふんわりと丁寧に折り曲げてカーゴパンツのハイドポケットに忍ばせる。
卑猥な秘裂をまじまじと眺め、やや波打つように閉じる小陰唇を指で広げる。すでにオリモノだけの湿り気ではなく、粘液が溢れて糸を引く……。
ツンッ……とした芳香が狭い空間にふわっ…と広がり、堪りかねたように口を付着させる。
彼の頭でこん盛りと膨らむナース服を両手を添えた歩美が身体をぴくりとさせ、秘裂の中を彼の唇が上下に狭める感触に吐息を漏らす。舌先の蠢きが小陰唇の裏側をなぞり、唇が粘液を啜り上げていく。僅かな塩味を感じさせ、酸っぱいような匂いと濃厚なチーズのような匂いに頭がくらくらしそうになる。
これがこの人のマ○コ……マ○コ………。目を血走せた彼が狂ったように舌を走らせる。ぶるぶると弾かれる小陰唇が揺れ動き、膣口に細めた舌を突き入れる。掴みどころのない粘膜が広がりながら迎い入れられ、どこまでもぬるぬるした粘膜が溜まっている。
目指す攻撃先をクリトリスに変更する。鼻から下を髭面にした男の口元のように大陰唇の回りに生える恥毛が上まで繋がり、その上部で集結したような原生林が鼻をくすぐってくる。包皮にかかった縮れ毛を掻き分けて、舌を踊らせる。ふにふにと柔らかい包皮が舌先に揺れ動き、歩美の腰がうねりだす。
下から持ち上げるように舌先を動かしていると、歩美のはぁ…はぁ……という吐息が激しくなってきた。吸っては執拗に舐め回し、ナース服の上から頭を歩美に撫で回される。頬を挟む歩美の太腿に力が加わり、ぶるっ!…ぶるっ!……と震わせる。
その先を求めて包皮を剝いて、ピンク色の小さな亀頭に舌先を走らせる。舐めては吸って、吸っては舐めて、ひたすら舌を躍動させていく。
ぎゅう〜っと太腿が狭まり、ぷるぷるとさせながら歩美の腰が浮き上がっては下がり、また浮かせたまま震わせる。そして………すとんっと落としてびくんっ…びくんっ……と弾ませて痙攣が収まって静かになった。
最高よ、まさかこんなに気持ちよくさせられるなんて思わなかったわ………
普通の入院患者、高校生だったのにね……
恥ずかしそうに俯く歩美がそう言葉を伝え、彼の勃起したペニスを見やる。
ねぇ、入れてくれる………?
足元に置いた洗濯カゴに片足を乗せ、彼の腰を引き寄せて掴んだペニスをあてがうと、両手で彼のお尻を引き寄せる。膣口に沈み行く亀頭がすっぽりと飲み込まれると、滑るように…にゅるんっ……っと吸い込まれていく。歩美の頭が跳ね上がり、彼の口から止めた吐息が勢いよく吐き出される。
彼には力強い肉の輪が広がり、滑らかな粘膜に包みこまれる強烈な快感に声を上げそうになった。夢にまで見た憧れのナースと繋がり、その温もりの感動に浸る前に気がつけば腰を躍動させる自分がいた。
これまで経験してきた同年代や歳下、歳上といっても20代のどこかといった相手との違いに驚愕する。巷で噂される緩さはまったく感じられず、まったりとここまで絡みつく膣壁に包囲される感覚は、これまでの経験にはない。
まるで命を削られるような快感に悶絶し、声を殺して喘ぎながら突き入れる。切なげな表情を浮かべ感じる歩美が口を開けて眉間にシワを刻む。
亀頭を撫でるザラザラが堪らなくいい……。
堪らず奥に避難すると歩美の顔が恍惚に染まる。
あぁ~あっ……んんっ…はぁ~はぁ~あっあっあっいい〜っ……
不意に彼の腰が止まり、ぶるるっ……と震える。
堪らずに大量のDNAを放出し、悔しそうに空を見上げる。
いいのよ、大丈夫だから……とってもよかったわ…
けれど彼は満足せず、再び腰の躍動を再開させはじめた。壁に頭を打ち付けたくなるほど敏感になのに、歯を食いしばってピストンを繰り返す……。
もっとこの人を感じさせたい、感じる顔を見ていたい……その気持が原動力なり彼を突き動かしていく。
彼にしがみつく歩美の手が背中に爪を立て、彼の頭の髪の毛を掻き毟る。体位が辛くなり、歩美を後ろ向きにさせて貫く。打ち付けるほどにお尻の肉がたわみ、狭まる膣壁がペニスを圧迫しようと躍起になる。入口がキツく感じるほど締まりはじめ、歩美の膝が曲がっていく。下がりだした腰を彼が持ち上げながら、尚も打ち付ける。頭を持ち上げた歩美が首を硬直させたまま揺らし、低い唸り声を発しはじめたと思ったら背中を弓なりに反らせて痙攣がはじまった。
ぎゅう〜と締まる膣が歩美の絶頂を告げてくる。
数分で落ち着きを取り戻した歩美が振り向いて、彼を見る。妖艶な表情で、こう言ってきた。
まだできる………?
大丈夫よね………?
そして額に滲ませた汗を光らせる彼が、腰の躍動を再開させていく………。
風に揺れる洗濯物のシーツに隔てられた向こう側で、幼い子供が走り回る。甲高い笑い声が家族の束の間の幸せを日差しが柔らかく包み込む。
そのこちら側では若い男の腰に身体を揺らす1人の熟女ナースが、副看護師長の肩書を忘れ、開いた口から一筋の涎を垂らしている。
透明の雫は日差しを受けて輝きなが、糸を引き、コンクリートに小さな黒い染みを作る。
摩擦を助けるための粘液に滑るペニスと、膣口から漏れる水音が風の中に溶けて消えていく。
彼の射精はもう、すぐそこまで迫っていた。
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