昨今の病院運営はどこも困難を極め、採算を見込めない診療科の閉鎖を、余儀なくされている現実がある。
歩美の務める病院も例外ではない。小児科や産婦人科が閉鎖に追い込まれ、これも時代の流れだと寂しさを覚える。
人件費や薬品、機材などの高騰が目覚ましく、医療費は国が定めた基準そのままなのだから赤字が蓄積してしまう……皮肉なものである。
しかしながらこの病院が生き長らえているのは他に理由があり、関係者や一部の者しか知られてはいない。それは保険外診療であり、本来の会計とは別の特別会計という形をとっている。
それは…………。
副看護師長の歩美を始め、数人のナースと女医の雅子が通常の持ち場から離れる日があった。その容姿とスタイル、若い者から年増まで厳選されたメンバーが代わるがわる担当することになっている。
それはなにも女性だけではなく、近年採用されるようになった男性看護師もメンバーに連ねている。それは患者に男性も女性もなく、悩みを抱える患者の救済を目的に新設された秘密の診療科なのだから………。
彼ら彼女等には高い診察費、治療費から病院と折半で特別報酬が支給されている。もちろん生涯に渡り口外しない契約書を交わし、女性看護師には緊急避妊薬も支給される高待遇。男性看護師にはあちらに効く需要強壮剤、時には強制勃起薬が特別に支給されるのだった。
診察室はなにも特別に作られたわけではなくて、閉鎖された診察室を再利用しただけの、一見してそうだとは分からない。一般の外来患者に混じって自分の名前が呼ばれるまで待ち、自分の番がくると何食わぬ顔で診察室のスライドドアを開けて入るのだ。
診察室の中は以前と何ら変わることなく、医師と対面で問診から始められる。横には診察用ベッドが置かれ、衝立により目隠しもされている。
簡単な処置ならばそこで行われ、女性は診察室の壁のドアを開けて向こう側で行われる。男性でも時間を要する場合は反対側のドアの向こう側で行われ、どちらも外からは見えないようになっており、防音対策が成されている。
この日の担当は女医の雅子、副看護師長の歩美、その他この為だけに採用された特別ナースのうちの3人と、男性看護師3人が揃えられていた。
最初に診察室に入ってきた患者は38歳の女性の管理職だという、神経質そうな人だった。気の毒に仕事のストレスでいくつもの精神科を渡り歩いて、ここに辿り着いたらしい。本来は綺麗な女性なのに美貌は影を潜め、憔悴している。
問診は他角度的に進められ、不眠症や生理不順、精神的に不安定さを訴えている。女医である雅子は女性視点からの説得力を発揮させ、特別な治療を強く彼女に進めた。かつて産婦人科だった診察室に繋がるドアの向こう側へ、男性看護師たちとともに消えた彼女は、やがて静かな吐息を漏らし始めるのだった。
先ずは内診台に乗った彼女は、下半身とを隔てるカーテンを引かれ男性看護師によって下着を引き下げられていく。傍らにいる女医の雅子が生理食塩水で洗浄を済ませ、男性看護師が花園へと顔を埋める。
患者は身体をピクリッ……と弾ませ、不安げに忙しなく右往左往させていた目を、やがて瞼を閉じて不規則な呼吸をしだす。柔らかい男性の唇が優しく秘裂を分けて粘膜を這い、舌先が恭しく上下する。その温もりが女性に安らぎを与え、敏感な蕾が唇に含まれる。猫の狭い額を撫でるかのように優しく触れる舌先に、忘れていた情欲が揺り起こされ、血流が集まる蕾が肥大化していく。
決して急がず細やかに動く舌先の蠢きが、とろみのある泉を分泌させる。逃れようのない甘い波が次々に押し寄せ、胸の前で組んでいた指を解き自らの乳房を、服の上から持ち上げる。
持て余す快感をどうしたものかと女医に顔を向けると、「楽にして、誰の目にも触れないから我慢しなくていいの、そのための治療だから……」と。
戸惑いの中で、彼女の身体が弾む。背中を浮かせて息が止まり、背中が接地すると熱い息を吐く。
下半身では男性看護師が包皮を剝き、怒れる蕾に唇が直に包み込んでいた。まるでホコリを払うように舌先が絶妙に触れ、揺れ動く刺激にお尻の筋肉がぴくぴくと硬直と弛緩を繰り返す。
んんっ…あっんんっ……うっんんっ…あっあぁ~……
直に触れられる舌先が痛みを感じさせることなく感じさせ、強すぎる刺激を巧みな舌先の触れ方で分散させながら、山の頂へと導いていく……。
ほら、貴方はこっちで解放して差し上げて……。
女医の指示でもうひとりの男性看護師が、動く。
女性のブラウスをスカートから引き抜き、胸まで捲り上げるとブラジャーをずらし、右胸に手を添え左胸に顔を埋める。片方の乳首を指で捏ねくり回し、手前の乳首を舌先で舐め回し、吸っては弾く。
呼吸をマラソンランナーのように荒げ、左から右へと舌を動かしながら色情を露わに、自らの唇を舐め上げる彼女。男性看護師の舌先が蕾に小さな円を描き、舌のザラザラを微妙なタッチで当てて揺れ動かす。幾度も男性を受け入れてきた百戦錬磨の熟女も本来の顔を見せ、ただひたすら快感に対して素直になっていく。
「どうかしら、もし○○さんさえ良かったら………欲しくなったら遠慮なく言ってね…これは治療だから……」
女医は治療という言葉を最後に強調し、道徳心を排除させ、同時に背徳感を煽り立てる。
「ほら、ここには若い男の子が2人もいますから、遠慮すると損ですよ……」
薄目を開けた患者の女性は、熟女らしく欲望を隠すことなく控え目に頷いてみせた。
女医と股の間から顔を上げた男性看護師が顔を見合わせ、言葉もなしに女医の司令を読み取った。床に白い看護服のパンツがすとんっ…と落ちる。
屹立した20代の反り上がったペニスが出現し、歩を前に進めてやや腰を落とすと、あてがった先端にゆっくりと体重をかけて中へと飲み込ませていった。
若い男性の硬く熱い杭を打ち込まれる至福を味わい、一方で若い男性の唇で口を塞がれる。絡み合う舌と舌が口腔内で抱き合い、男性看護師の手が乳房を掴み揉みしだく。子宮頚部を突かれる快感が後から立て続けに湧き上がる。
彼女の時間はまだ、始まったばかりだった。
女医は施術室から出て診察室に戻ると、次の患者を呼ぶ指示を出した。入室してきた患者は暗い顔をしたまだ30過ぎの若い男性だった。
彼は営業職のサラリーマンで、仕事のストレスから勃起不全に悩んでいるという。なんの因果なのか女医に話さなければならないなんて……、そう顔に書いている。ロングコートのような長い白衣を身に着けた女医が対面に座り、短いスカートから組んだ太腿を惜しげもなく見せつけられる。今の彼には皮肉以外の、何ものでもなかった。
さて、どう料理しようかしら………。
雅子は内心で、舌舐めずりをしていた。
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