染谷さんからの電話を待ちわびて 日曜だというのに やけに早くに目が覚めてしまった。
洗車しに行って ガソリン入れて…、帰って来ても まだ9:30。
果たして電話はくるのだろうか?
スマホでゲームをしながら、その時を待った。
ゲームを遮る様に 着信画面に変わった。
時計は10:00を少し過ぎていた。
「もしもし」
『もしもし、おはようございます、染谷です』
「電話をくれたって事は 覚悟が決まったって事でいいんですね?」
『はい、って言うか 頭にきちゃって私』
『あのあと帰りの車の中から電話したんです彼に、そしたら話しにならなくて…』
「何 言われたんですか?」
『それは あとで話します』
『今 向かってるので 彼のトコに』
「ん?、良く分かんないなぁ」
「頭にきたのに 彼のトコに向かってんの?」
『ええ、お金を受け取りに』
『でも、勘違いしないで下さい、工藤さんを恐喝犯にはしてませんから、私が要求したんです、手切れ金の前払いよこせって』
「う〜ん、良く分かんないけど、今日 来れますか?」
「そうだな?、ご主人にお昼食べさせて、13:30とか」
『はい、大丈夫です』
『て、ことなので 一旦 電話切らせて貰って良いでしょうか?』
『家 出る前に また電話します』
「はい」
「待ってます」
そう電話は切れた。
が、俺の頭の中は ????マークでいっぱいだった。
近所の牛丼屋で昼を済ませて、またゲームをしながら電話をまった。
13:00を少し過ぎて着信が有った。
『もしもし、ゴメンなさい染谷です』
「はい、もしもし」
「出られますか?これから」
『はい』
『で?、どちらに伺えば?』
「家で待ってますよ」
「ダメですか?」
『私が伺っても よろしいんですか?』
『でも私 工藤さんの家 存じ上げ無いので』
「住所も確認したんじゃないんですか?、電話番号と一緒に カルテで」
『そんな意地悪な事言わないで下さい』
『昨日は電話番号で精一杯で…』
「地元って言ってましよね?」
「末広町 わかります?」
『はい』
「末広町の7階建てのマンションの705です」
『7階建てって言われても…』
「…ですよね」
「住所で言うと 1-6-5です、◎◎パレス」
「マンションの通りにコインパーキングがあります、来客用だと たぶん目立つので…」
『あ、なんとなく分かりました』
「古いマンションなんで オートロックとか無いですから そのまま上がってきて下さい」
『はい、分かりました』
「じゃ、待ってます」
しばらくしてチャイムが鳴った。
『こんにちはぁ』と
モニターに染谷さんの姿。
「ようこそ」
とドアを開けた。
※元投稿はこちら >>