22.
服装を整えながら真理子が聞く。
「雄ちゃん。よくこんな所を見付けたわね。」
「あぁ。もう忘れてたんだけど、真理子と隠れられる所が無いかなって考えてたんだよ。それで、阪神の震災の後に一度だけ業者の人と入った事があって、そういえばこんな場所があったなって思い出したんだよ。ここなら点検の時以外はホントに誰も来ないよ。」
「そうね。しかもこんな大きな機械の裏にこんなスペースがあるなんて思いもしないもんね。」
「そんなしょっちゅうは無理だけど、こんな所でもイイか?」
「私はアナタに抱いて貰えるならトイレだって階段や廊下や給湯室だって、事務所でだってイイもの。」
「そりゃ、AVの観過ぎ。(笑)」
「でも、チャンスがあれば本当はそんな所でもして欲しいんだもん。」
「好きだねぇ。(笑)」
「女ってね。人其々があるけど、シチュエーションも大事なのよ。(笑)」
「真理子の場合はイケない事が大好物?」
「そうね。禁断の… とかって燃え上っちゃうかも。♡」
「しかも、チョッと変態的な。(笑)」
「チョッとじゃ無いかも。(笑)」って言いながら屋上へ出た。
屋上ではランチ後の一服してる者や珈琲を飲みながら団欒してる人、日向ぼっこでウトウトしてる人が居る。
俺達もベンチに座って団欒。
「真理子。お前、昔からスケベな女だなとは思ってたけどさ、こんなにしょっちゅう欲しがる程飢えてたなんてビックリだよ。旦那と無いって言ってたけど何時頃からだよ。」
「そうね。単身赴任で出たのが上の子が高校入った時だったから、もう7年ね。」
「戻ってから一度もか?」
「そうよ。(笑) 多分、向こうで風俗の味でも覚えて私相手じゃ満足出来なくなったんじゃない。」
「勿体ねぇな。歳の割りに可愛い顔してんのに。まぁ、体はアレだけど。」
「何よ。好きなくせに。」
「まぁな。(笑)でも、お前男漁りとかしなかったの?昔はしょっちゅうしてたのに。」
「いつの話しよ。でもね、子供に手がかかってる間はそんなもんだって思ってたんだけど、いざ手が離れると寂しくなっちゃって、それを埋めてくれる相手が欲しいって欲求がどんどん高まっちゃって… 」
「で、相手が俺?」
「だって、そんなに面識無いのにヨーコちゃんとあんな事してるの見ちゃって。お酒の勢いもあったけどレスの事も言っちゃったし、昔からの気持ちも言っちゃったんだけど、アナタは前からそうだけど私の我儘に付き合ってくれるし… それでイイのよ。(笑)」
「でも、エッチの度合いがチョッとなぁ。(笑)」
「好きなクセに。♡」
「まぁ、この歳でさ。普通出来ないAVみたいなエロい事を人妻相手にさせて貰えてるんだから感謝しなきゃイケないか。(笑) そうだ。感謝だから、真理子が悦ぶようにこれからはチョッと過激な事もやってみてもイイかな?」
「エッ!過激?どんな事かしら。(嬉)」
「それはまた追々な。」
「ウン。楽しみにしてる。」
「おいおい、出来る事なんて限られててたかが知れてるし期待外れになっちゃから、あまり妄想を膨らませ過ぎるなよ。(笑)」
「ハ~イ。」
ホントに真理子は今を悦んでいる。
胎児の可能性が低くなった事、生理が復活して性的欲求が増し、それをある程度満たす相手(俺)が出来た事、昔から可愛がってる妹のような存在の寂しさや欲求を満たす相手(俺)が見つかった事。それが一気に来たんだからな…
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