窓からは綺麗な夕暮れの光が入り始めたリビングで、真理子が洗濯物を畳んでいた。そんな時…呼鈴の鳴る音が聞こえる。
『……?誰かしら…こんな時間に…』
真理子は玄関へと歩いていくと覗き窓から外を見ると誰も居ない…真理子は不思議に思いながら、ドアを開けるが、そこには誰も居なく…
『イタズラ?…もぅ…あれ?これは…』
真理子は足元に置かれている封筒を見つける。そこには【牧野真理子様】とだけ書かれていて、真理子は封筒を開くと一枚の紙を見て…
『あっ…どうして!…こんな写真っ!…』
真理子の目に入って来たのは自分が数時間前にしてしまった公園だの痴態の写真、真理子は手が震えて顔から血の気が引いていく…
そして、その下の文章を見て更に震えて辺りを見回して、玄関の中に入り鍵を掛ける。
「そんな事できるわけないじゃない……そんな事…」
真理子は脅迫者からの悪魔のような命令に言葉で抵抗する事しか出来なかった。でも…このまま抵抗しても、この写真をマンションにばら撒かれたら…
その恐怖に、真理子はこのマンションで住めなくなる事や夫への弁解を考えるだけで…一度だけ、一度だけ命令を聞いたら許してくれるという甘い望みが…
真理子を脅迫者の悪魔の誘いに引き込まれて、まるで催眠術にかかったように、フラフラと脱衣場へと歩む真理子…先程、洗濯機に入れた紺色のショーツを手にするとリビングへと座る。
『こんなの…ううっ……』
誰にも見せた事のない一番恥ずかしい部分を誰とも知らない人に見せる事に真理子は、屈辱が溢れて目を潤ませていく。リビングテーブルに置かれた汚れたクロッチを上に向けて、それをスマホで写して…メールに添付すると、一言……
【お願い…これで、許してください…】
書かれていたメールアドレスに送信して日が暮れていく窓からの陽に影を落としていく……
(続く)
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