いくら待っても彼女からの連絡はこなかった。自分の無力さに腹が立った私は、通りにあるビルの壁を殴った。拳は擦りむけて血がじんわりと滲み出てきた。私はこのままでは、自分の精神がおかしくなりそうだと思い自宅には帰らずに会社へと向かった。仕事でもして気を紛らわさないと、よからぬことを考えてしまいそうだった。
会社に電気が点いていた。
「誰かいるのかな?」
一応用心しながら中に入ろうと思った。扉の前まで来て中の音を聞いて中の様子を探った。
なにやら、ガサゴソと動いているような音がしていた。私は手のひらをぎゅっと握りいつでも何かあった時は攻撃できるように身構えていた。私は覚悟を決めて扉を開けて中に入った。
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