窓の外には大勢の人が忙しく街中を歩いていた。一人一人にそれぞれの人生があるのだなと一人物思いにふけっていた。そして、そんな沢山の人の中に、ゆきの姿を見た気がした。私は急いで店外に出てその姿を探したが、彼女の姿はどこにも見当たらなかった。
時計を見ると20時30分を少し回ったところだった。待ち合わせ時間には少し早いが私は吉田の店へと足を進めた。
なぜ彼女は連絡をくれないのだろうか?さっき見たのは他人の空似だったのだろうか?
私の頭の中は彼女のことで溢れかえっていた。
そんなことを考えながら歩いているうちに吉田の店の前に着いた。その時、ちょうど寺沢が向こうの方から歩いてくるのが目に入った。
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