お風呂から上がると、彼女は優しく私の身体についた水滴をバスタオルで丁寧に拭いていった。私の身体の隅々までもが彼女の手によって綺麗にされた。そんな献身的な彼女を見て疑うのは良くないな。たまたま同じ名前が彼女の口から出たんだなと思うようにして、気持ちを切り替えていった。
ホテルを出た私たちはそれぞれ自分の家に帰った。私は家に帰ると案の定妻の姿はなかった。どうせ「あきら」という奴のところにでもいってお盛んになっているのだろう。私は台所に置いていた酒を手にするとコップに注がずにそのまま瓶に口をつけて飲んでいった。
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