土曜日。
週に一度のエアロビの練習日。
僕はいつものように、義母とマダム達の送迎のためにフィットネスクラブに車でやってきた。
僕が座る運転席の下には、完成したばかりのレオタードを入れた箱が隠してある。
義母にはまだ何も言ってない。
あとで2人きりになったときにサプライズで披露するつもりだ。
練習を終えた義母とマダム達が、僕の車に乗り込んでくる。
相変わらずの賑やかさである。
「ねぇねぇお婿さん、聞いたわよぉ~。今この人のレオタードを作ってあげてるんだってぇ?」
「いいわねぇ、ついでに私のも一緒に作って欲しいくらいだわぁ」
「いったいどんなのかしら...すごく気になっちゃう」
「私も新しいレオタードで、新米先生のハートをガッチリ掴みたいわぁ」
「ちょっとぉ、あなたがガッチリ掴むのはその立派なお腹のお肉でしょ? 笑」
「ハハハハハ (一同大笑い」
僕は普段よりも急ぎめでマダム達を送り届けると最短距離で義母の家に向かった。
その間、義母は今日のレッスンのことや昔出場した大会での失敗談なんかを面白おかしく僕に話してくれている。
僕は運転しながらその話を聞くも、まったく頭に入らずとても緊張していた。
※元投稿はこちら >>