『ついてるわぁ…。』
『えっ?なにぃ~?』
『チンポくらいついてるわぁ…。』
『なにってぇ~?』
『僕のやって、チンポくらいついてますぅ~。』
そう言うと、満智子さんの顔はほころんだ。
それどころか、『あんたぁ~。チンポ、チンポって言わんのぉ~。こっちが恥ずかしくなるやろぉ~。』と笑い始めるのだ。
僕は自分の顔が真っ赤になっているのが分かり、とても彼女の顔を見ることが出来ません。こんなに『チンポっ!』と連呼したのは、子供の時以来でしょうか。
おかげで、少し場が和みます。彼女の質問責めに、少し重い雰囲気となってましたから。
そこで、『おばさんのこと好きだから、あんなことしてしもたわぁ~。ゴメンなぁ~。』と平謝りをするのです。
これで終わるはずが、『なら、お詫びにどこか連れて行ってよ~。』と彼女に言われてしまい、また元に戻るのです。
しかし、ここからの満智子さんは違いました。『さぁ~、お兄さん選手はどう返事をするのでしょ~か?』と、マイクを向ける仕草で明るく聞き始めます。
『どこがいい?』
『さぁ~、私をどこへ連れていってくれるのでしょう~。』
『今から、行きます?』
『今から、行きます~?そしてぇ~?』
『ご飯ですか?』
『さぁ~、私に何をご馳走してくれるのでしょうかぁ~?』
『お肉食べたい?』
『お肉が来ましたぁ~!そしてぇ~?』
『スープ?サラダ?』
『スープとサラダがつきましたぁ~?それでぇ~?』
『アイス。』
『デザートもつきましたぁ~。そしてぇ~?』
『お会計。』
『お会計は私がしますぅ~?それから~?』
『…。』
『お兄さん選手、ここで停まりましたぁ~。』
『なによぉ~。』
『じゃあ、さっきどうして私に迫って来たのぉ~?』
『おばさんが好きやからに決まってやろ~!』
『じゃあ、私をどうしたいのぉ~?』
『自分でもよく分かりませんっ!好きだから、あんなことしたんですぅ~!』
『なら最初から、ちゃんとそう言ってくださいっ!おばちゃんもバカだから、そう言ってくれんと分からんでしょ!』
満智子さんのインタビュー作戦は成功だったようです。僕の言えなかったことさえ、ちゃんと引き出してしまったのですから。
彼女は再び着替えを済ませ、僕の前へと現れました。その姿に、また僕は驚いてしまうのです。普段はジャージ姿の彼女が、余所行きの姿で現れたからです。
57歳という年齢は、その衣装よってさらに引き下げられ、施された化粧は更に大人の色気を出していたのです。
僕は、『満智子さんって、やっぱ美人なんだ。』と改めて知ることとなります。
そして、駐車場で僕の車の助手席に乗り込むなり、大人の満智子さんは、こんな大人の言葉を僕に投げ掛けて来るのでした。
『そうそう。ご飯食べたらさぁ~、ホテル行こうかぁ~?行く時間、あるでしょ?』
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