【2】
「なに?」
晶がそれに返事すると、ドアが開いた。
「お邪魔するわよ。」
「母さん、何の用?」
「そんな言い方しなくてもいいでしょ。
また私の悪口でも言ってたんじゃないの?」
「言ってないよ、それより何?」
「クッキー焼いたのよ、食べるでしょ?」
「何だよ、また作ったのかよ。
よく飽きないよな。」
「別にあんたは食べなくてもいいわよ。
洋太、食べるわよね?」
「うっ、うん。」
女は部屋に入り、僕の目の前に焼きたてのクッキーがのった皿を置いた。
「全部食べていいわよ。」
女は、僕に笑みを浮かべながら言った。
誰にも言えない僕の秘密、それはこの女に関する事だ。
その秘密とは、この女に淫らな欲望を抱いているという衝撃の事実だった。
牧元幸子(まきもとさちこ)、38歳、主婦で晶の母親だ。
髪は茶褐色で肩付近まで伸び、緩めのウェーブがかかりボリューム感がある。
顔は、気が強そうな表情が特徴的だ。
実際、性格は気が強く気性も荒い方かもしれない。
息子の親友である僕に対しては、それほどきつい一面は見せなかった。
でも、息子の晶にはよく怒っている場面を目撃していた。
それだけではない。
近所の意地が悪いおばさん連中にも、決して怯まなかったのだ。
もちろん波風を立てる事はしないが嫌味を言うおばさん達を逆に言いくるめてしまう、そんな気の強い性格だった。
話は戻り、顔は芸能人でいうなら飯島直子似といった所だろうか。
当然、僕にとっては飯島直子本人よりも幸子の方が魅力的だと思っている。
僕は、いつもこの顔を見るだけで興奮していた。
そして、何といっても幸子を語る上で絶対に外せないのがこの扇情的な身体だ。
息子の晶はぽっちゃりなどと言っていたが、そんな只の肥満体とは一緒にしてはいけない。
身長は、160センチ位で小柄な方かもしれない。
体型だって、確かにお世辞でもスレンダーとは呼べないないだろう。
だが、僕にとってはその身体が異常なまでに興奮を掻き立てた。
只の肥満体であれば、ブヨブヨとした脂肪の塊でしかない。
言っては何だが、醜いという言葉が合っている。
しかし、幸子の身体にはムチムチとした肉感的な張りがあるのだ。
確かに、年増の女特有の脂肪も付いているかもしれない。
だが、同年代の他の女達以上に幸子の肉付きはたまらなく興奮させるものがあった。
それが、僕からすれば幸子だけが持つ扇情的な魅力だった。
まさに、女として熟れ時の身体といえるだろう。
その中でも際立っているのが、豊乳と呼ぶに相応しいたわわな胸だ。
大きいからといって垂れているわけでもなく、まだ張りを失わずにしっかりとボリュームが詰まっているのは服の上からでも容易に想像出来た。
きっと、揉み応えは最高に違いない。
また、下半身の肉付きも負けていない。
太ももから肉尻にかけてのボリュームたっぷりのラインは、性欲を掻き立てるには十分過ぎるほど刺激的だ。
こちらも、間違いなく揉み応えはたまらないだろう。
今日の幸子は黒いTシャツに色が濃い目のジーンズ、その上に黒いエプロンを掛けている。
残念ながら、いつもこんな服装で露出度の高い服は着ない。
しかし、それでもこのいやらしい肉付きは包み隠しきれなかった。
気の強そうな顔、どちらかといえば低い声、ムチムチとした肉付きの身体、38歳という女として丁度熟れた年齢、それら全てが極限まで興奮を煽っている。
それが、牧元幸子という女だ。
僕は、そんな親友の母親に淫らな感情を抱いているのだ。
とはいえ、あまりジロジロと見ていれば勘付かれると思い、目の前にいる幸子を直視する事が出来ない。
そんな事情があり、僕はチラ見や気付かない時でしか幸子を見る事が出来なくなった。
そもそも、僕が幸子を女として見る様になったのはいつからだろう・・・。
※元投稿はこちら >>