小雨の音がジャマでした。エアコンの室外機にポタポタと落ちる音がとても気になります。それでも、隣の部屋から聞こえてくる僅かな音を聞き漏らしません。
男性の声は高く、たまに上げる大きな声は聞こえて来ました。しかし、物静かに話をする低音気味の岩下さんの声は通らず、ほとんと聞こえて来ません。
更にたいしたことも起こらず、ただ時間だけが過ぎて行きます。
男性が部屋に入って、一時間くらいが経過した頃でした。部屋を歩く音が聞こえ、それがこちらへと向かって来ます。
『ドドン!』と物音がし、なにかが僕との部屋の壁に当たったような音がして、壁が振動をしました。
僕は知りませんでした。岩下さんは、そこに布団を敷いていつも寝ていたのです。
男性の強気な声ばかりが響いていました。よく聞き取れませんが、その言葉は岩下さんへ投げつけられているように感じます。
床がきしみ、肘や膝の固いのもが床にあたる音が聞こえます。バタバタと手をつく音は、岩下さんでしょうか。
しばらくして、『ブゥ~ン…。』という振動音が聞こえ始めます。振動が空気を伝わるのか、ある意味声よりもよく聞こえてしました。
その音にはどこか聞き覚えがあり、『ローターの音ではないか?』と判断をします。あの岩下さんが、この壁の向こうで、今からローターで責められるのです。
照明の消された真っ暗な部屋のなか、僕は服を全て脱ぎ、靴下まで脱いで、そこに立ちました。もちろん手には、半分勃起をしたアレが握られます。
壁にもたれながら、その時を待つのです。
隣の部屋からは、相変わらずのモーター音が鳴っていました。男性の声も聞こえ、床も音を立てていて、きっと激しくなって来ているようです。
しかし、その中で聞こえてこないものが1つありました。岩下さんの声でした。低音で聞こえにくいのもありますが、きっと出していないのです。
雨の音にかき消されてもいるのでしょうが、全く聞こえては来なく、僕の握った勃起をしたアレは肩透かしを食らうことになるのでした。
その夜、男性が帰った後でした。部屋の中央に敷いてあった僕の布団は、岩下さんとの部屋の壁の隣に移動をしました。
そして、この壁の向こうで寝ているであろう彼女を思い、再び勃起をしたアレを握って、その手を動かし続けるのでした。
その日からです。岩下さんを見つけては、必ず寄って行って、話をするようになったのは。最初、遠慮気味だった彼女も、だんだんと馴れても来ます。
あの男性さえいなければ、普通に仲良く会話が出来るのです。初めて仲良くなった友達とも言える熟女、それが岩下さんとなりました。
男性にローターで責められている彼女を聞かされても、特に何も思うことはありません。そのくらい、僕達は自然だったのです。
それは他のおばさん達にも伝わったのか、『あれ?岩下さん、新しい彼氏?』『若い彼氏やねぇ~。』とからかわれるほどになります。
もちろん二人がそんな関係とはおばさん達も考えてはいませんが、『岩下さんとこの子は仲のいいコンビ。』と二人を見るようになったようです。
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