ウエブカメラを設置して5か月が経過していた。正式な辞令はまだだが、
上杉部長のはからいで、あと2か月我慢すれば本社勤務に健二は戻れる
はずであった。相変わらず健二はウエブカメラを毎夜チェックしていた。
月曜の夜、寝室に設置したカメラに上杉部長が映っていた。
手にワインの瓶と折箱を持っている。
「月曜日に部長さん、どうなさいましたの」
里奈が聞くと、
「今夜は里奈さんにも祝ってもらいたくてね。
本当ならフランスレストランか料亭にでも誘うのだが、
ご主人の電話があるといけないから、料亭でおりを作らせて、
このビンテージもののワインといっしょに持ってきたのだよ。」
「まあ、何のお祝いですの?」
「今日、社長室に呼ばれてね、春から副社長になるように言われたのだよ。」
「それはおめでとうございます。」
「そうなんだが、妻は2年前に亡くしたし、子供はいないし、祝ってくれる家族
も私にはいないからねー、里奈さん、君だけが親しく思う人なのだよ。
もっとも、君は健二君のことを思って、私と付き合ってくれてるだけだとは
知ってるけどね・・・」
「いいですわよ、今夜は私が部長さんの家族になって、お祝いします。」
「本当かい、これ、せっかくだから食べてくれ、あと、ワイングラスも」
そんな会話のあと、里奈と部長はおりの料理を食べながら、ワインを
飲んでいた。そうするうちに妻が色めいてきた。
「部長さん、あまりお酒を飲むとできなくなってしまいましてよ。」
そんな会話の後、二人はベッドの上で深いキスを始めた。
健二は赴任先のアパートで、部屋を暗くしてパソコンの画面に映る
その様子を食い入るように見つめていた。
そしてセックスが始まった。
日曜の夕方、つまり1日前まで夫のいたベッドで今夜はほかの
男と妻は交わるのである。慣れたとはいえ、さすがに健二の気持ち
は沈んだ。
部長はいつものように妻に生で挿入すると、今日は危険日かどうかを
質問した。
「今夜は安全日ですの、部長さんの精子、全部中にだして」
健二は自分の耳を疑った。確か今は危険日のはずだ。一昨日の夜に
妻はそう言っていた。妻の生理周期は健二の頭に入っている。
絶対に危険日だった。上杉部長は嬉しそうな声で
「そうかい、そりゃありがたい、今夜は朝まで付き合ってもらうよ」
妻に覆いかぶさると妻に挿入した腰を動かし始めた。
や、やめろー、里奈、やめてくれー
健二はパソコン画面に向かって叫んだ。そ、そうだ、電話をしよう、
健二はスマホで里奈に電話を掛けた。
ところがスマホはいつのまにか電源が切られていてかからない。
仕方なく固定電話にかけた。ところが固定電話は一階の居間に
あるので、2階には注意して聞かないと呼び出し音は聞こえない。
上杉部長が気が付いた。
「里奈さん、下で電話が鳴っているようだが、健二君じゃないかい。」
「大丈夫よ、後でかけるから、お風呂に入ってて聞こえなかったことにしますわ。」
健二は万策尽きて交尾に耽る妻と上杉部長を虚ろな目で見つめていた。
やがて部長は里奈に中だしして果てた。
二回戦に向けて小休止する二人。
今夜、妻は部長の精子で受精するかもしれない・・・
そしたら、里奈は部長の・・・
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