違う週末のある日、里奈は女子会があると言って再び外出した。
むろん健二は里奈のハンドバッグに小型の盗聴器を忍ばせていた。
夜に帰宅した里奈が寝入るのを待ってハンドバッグから盗聴器を
取り出すと、前回のように居間でパソコンに音源を移して再生した。
やはり上杉副社長と待ち合わせて車で何処かのホテルに入ったようだった。
エレベーターでホテルの何階かに移動し、部屋に入ると既に人が待っていた。
「先生、こちらお話しした里奈さん。」
「黒石です、よろしくお願いします。」
「里奈です、黒岩先生はテレビでよく拝見しておりますわ。」
健二は黒岩という名前の記憶を辿った。確か白鳩党の代議士で
痛烈に対立政党の批判をする毒舌で有名な政治家である。
健二もそのこわもての顔貌は時々テレビで見ていた。
「じゃあ里奈さん、私はこれで失礼するから、後はよろしく。
黒岩先生、里奈さんはとても信用できる人ですから
ご心配なく、ただし無茶は困りますよ、お手柔らかに。」
そう言い残すと上杉は部屋の外に出たようだった。
ホテルの一室には里奈と黒岩の二人だけのようである。
「里奈さん、すまないがこれに着替えてくれないか。」
何かを取り出す音、
「黒岩先生、こういうご趣味がおありになるのですか、いいですわよ、
最初にシャワーを浴びさせてください、そのあとでこれを身に着けますわ」
健二は耳にヘッドホンを押し当てて、懸命に何を身に付けろと黒岩が
言っているのか、聴き取ろういた。
シャワーを浴びる音がしてやがて里奈が浴室から出てきた。
「ほーう、やっぱりよくお似合いだ、里奈さんは肌が白いしスタイルが
良いから、黒のレザーが良く似合うね。」
黒? レザー? 里奈はSMの姿にされているのか? 健二は必至で
録音を聴いていた。
衣類の擦れる音、ベルトを外す音、おそらく黒岩が服を脱いでいるのだろう。
「里奈さん、このムチで私を折檻してくれないか、後は君にまかせるよ。」
「いいですわよ、じゃあ黒岩先生、四つん這いになりなさい。」
「黒岩先生は変だから、ヒロシ、と呼び捨てにしてください。」
「ヒロシ、いくわよ」
ピシッ、ピシッと数回鞭が肌を打つ音。
「もっと、やっておくれ」
ピシッ、ピシッ、と更に数回の音。
「今度は仰向け寝なさい」 と里奈。
「パンツの上から里奈さんのハイヒールで踏んでください」と黒岩。
「こうですの?」
「ううっ、いい、里奈さん続けて、気持ちいい。」
「今度は足の裏で直接踏んであげますわ。」
「その前に、私に里奈さんの足を舐めさせてください。」
「いいわよ、さ、ヒロシ、あたしの足をお舐め!」
「うう、おいしい、うう、こりゃ最高だ」
健二はあのこわもてで鋭い論客の政治家が、まさかこんな性癖を
持っていようとは、ましてや自分の若妻がその性欲の相手をしようとは
思ってもみなかった。
「さあ、貴方の足で踏んでください」
「どう?感じてる?気持ちいい?」
「気持ちいいです。」
「ヒロシ、あたしの足の裏でおチンチン踏まれて気持ちいい?」
「はい、女王さま、気持ちいです」
「この豚野郎!」里奈のピシッという鞭の音。
「さあ、今度はあたしのここを舐めなさい!」
「わかりました、女王様。」
健二は盗聴音声を聞きながら頭が熱を帯びてクラクラしてきたのだった。
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