次の日曜日、里奈が買い物に行くと外出したあと、
健二は録音の内容をもう一度よく聴いてみることにした。
まず、ソフトウェアで音源のノイズをなるべく除去し、
会話が聞き取りやすいように周波数毎に音量を変えてみた。
その結果、会話の内容がかなり正確に分かったのだった。
場所はS駅の近くにある有名ホテルの上層階だった。
上杉と里奈がいる部屋に鵜久森が入ってきて、
簡単な挨拶を交わしたあと、鵜久森、上杉、里奈の順に
バスルームを使った。
鵜久森がバスルームに入っている間の妻と上杉の会話、
「鵜久森さんはK社の社長でね、わが社の大切な取引先なのだよ。
すまないが里奈さん、鵜久森さんを君の魅力で喜ばせてもてなして
ください。その代わりといっちゃ何だが、近いうちに
ご主人の健二君に、企画をひとつ任せることにしてるのだよ。
それが成功すれば次は課長昇進だからね。」
「まあ、主人にその企画が務まりますかしら。」
「健二君なら大丈夫、それに一人、二人、優秀な部下も付けるからね。
私に任せときなさい。」
「よろしくお願いします。」
「いやあ、健二君は君のような献身的な奥さんをもらって幸福者だよ。」
そんな会話のあと、鵜久森と交代に上杉がバスルーム入ると、
鵜久森と妻の会話
「里奈さんでしたかな、お若いようだがお年は幾つですかな。」
「先週25に成りましたの。」
「ほう、お綺麗でお若いですな。まだお一人ですか?」
「結婚してますわよ。」
「ハハハ、そりゃ驚きだ。こりゃよい人に会わせてもらった。アハハハ」
やがて上杉がバスルームから出て里奈が入ると、鵜久森と上杉の会話。
「今聞いたら25歳の人妻だそうですな、こんないい女を上杉さんはどこで
仕入れなさったのですかな?」
「お気に召されましたですか、実は社員の奥さんでしてね、夫のためならと
文字通り一肌脱いで貰っているのですよ。今日は彼女のきっぷのよさを是非
高く買っていただき、例の契約の件をよろしくお願いします。」
「言わなくても分かっていますよ、ハハハ、野暮だなあ。」
やがて里奈が出てくると、待ちかねていたように鵜久森が始めた。
長く続くキスの音、上杉は椅子に座って見ているらしい。
やがて、さあ、ベッドに寝て、という鵜久森の声。
再びキスの音、やがて鵜久森が乳首を吸う音、里奈が声を上げる、
感じているのか、確か鵜久森は60過ぎのはず、そんな爺さんに
妻は自分の乳首を吸わせて感じているのだった。
やがてキスの音が変わる、ダメー、と妻が叫ぶ。
「やっぱり、若奥さんのおつゆの味はいいねえ、
それにいい臭いだ、たまらないよ。」
じゅるじゅると何かを啜る音、
鵜久森は妻の股間に顔を埋めているに違いない。
里奈の喘ぎ声が高くなる。
「里奈さん、今度は私のも舐めてください。」
鵜久森の言葉のあと、身動きする音、
どのような体位かは分からないが、
妻の肉棒を啜る音が聞こえてくる。
鵜久森がうううと呻く。
「こりゃたまらん、上手いなあ、こりゃご主人もすぐ逝っちゃうでしょう。
ご主人の仕込みですかな?」
シュポンと栓を抜くようなあとに続いて
「いいえ、上杉さんに仕込まれたのですわ。」
アハハハと上杉の笑い声。
「上杉副社長も隅に置けませんなー」
と鵜久森。
「いや、もう我慢できない、入れさせて貰いますよ。さあ…」
身動きする音、やがて鵜久森のううっと唸る声、ギシギシと
ベッドの軋む音に続いて里奈の喘ぎ声が高まっていった。
後はベッドの軋む音、里奈の呻き声、肉のぶつかる音、身動きする音が
重なって延々と続き、60男と25女の交わりが続いた。
最後に鵜久森がうおおおお、と悲鳴を上げて逝ったようだった。
あまり長く鵜久森がコトのあと息切れしているので、里奈が、社長さん
大丈夫ですか、と声をかけていた。
「いやー気持ちいい、本当に死ぬかと思った、ありがとう里奈さん、
いやー極楽でした。まったく凄い。極楽、極楽。」
その後は、次は私がと上杉が里奈と交わったが、
ここではあえて書かなくても良いだろう。
すべてのコトが終わって帰る前に鵜久森が里奈に
「取っておきなさい」
と何かを渡していた。おそらく謝礼の現金だと健二は思った。
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