《ノンちゃん 2》
もう10時になろうかといぅ時、スマホが光った。ノンちゃん~ だった。
『具合どうですか?。こんな時間にゴメンなさい。もぅ休んでる よね?』
と、ショートメールがきていた。
『ありがとうございます。スマホいじってました。まだ寝るには…』
と、返した。
と、すぐにノンちゃんから電話がきた。
「もしもし」
「もしもし、ゴメンね、こんな時間に」
「大丈夫?」
「ええ、大丈夫ですよ」
「良かったぁ。どうしるかなぁ?って」
「お風呂とか大変そうだし…」
「ええ、大変でした(笑)」
「よく100均とかで使い捨てのビニールの手袋あるじゃないですか?、アレ探しにいって。今は長い奴も有るんですね?、肘くらいまでの。それして入りました。輪ゴムでとめて」
「大丈夫?、頭とか洗えた?、濡れなかった?、傷口とか」
「心配してくれたんですか?、ありがとうございます。大丈夫でした、頭も何とか洗えたし」
「で、ガーゼとか張り替えて、スマホ眺めてたとこです」
「そうは言っても、大変なんでしょ?」
「まぁ、大変ちゃ大変なんですけどね。他に誰か居る訳でもないし」
「そぅね。ゴメンね。変なこと言って」
「とんでもない。ありがとうございます、心配して下さって」
「明日は?、今週いっぱい お休みだって裕美ちゃんから。明日も行くの?裕美ちゃんとこ」
「いえ、明日は行かないですよ、今日いったんで、何でです?」
「そぅよね、今日行ったんだもんね」
「消毒とか、行くのかなぁ?って、病院に。裕美ちゃんも退院だって言ってたから」
「私ね、お迎え 行こうか?、って聞いたら、ご主人が来てくれるんですって。なんでも 土曜日 泊まりらしくて、《明け》って言うの?前倒しで明日にしてもらったとかって、それで。『来なくていいのに』って裕美ちゃんが言うからさ、『心配なんでしょ、ご主人なりに』って言ったらさ『今更ぁ?、ないない、そんな事』だって、どぅゆうのかしら?それって」
「どぅなんですかね?、夫婦にしか分からない事とか、有るんじゃないですか?」
「そぅなのかもね、きっと」
「ノンちゃんだって、大丈夫なんですか?。俺なんかと電話してて?、こんな時間に、ご家族とか?」
「あら、迷惑だった?。だって、私だって1人だもの」
「娘は結婚して近くに居るけど、息子は神奈川 藤◎だかどっか 1人でね、旦那は栃◎県の北の方。つまずいちゃってさ息子。希望の大学に入れなくて、で、熊◎だかどっかの工業大学行って 九州の。で、旦那のツテで就職したの、自動車の…。旦那と同じ系列の会社に。で、今 旦那は栃◎の工場に… 少しは偉いみたいよ、あれでも。ろくに帰ってきやしないけどさ。新幹線なら すぐなのにね?」
「そぅなんですか?」
「そっ。だから裕美ちゃんのが まだマシよ、何だかんだ言っても普段は(旦那)居るんだから、明日だってさ…」
「…そぅですね」
明日の裕美さんの退院の件は 裕美さんから聞いていた。
が、ノンちゃんが1人、まして旦那さんが単身赴任らしい事までは聞いてなかった。
明日『どう誘うか』そればかりが 頭の中でグルグルとしていた。
『…誘って』、俺には都合よく そんな風にさえ聞こえていた。
「で?、健ちゃんは?」
「明日はウチでゴロゴロしてますかね?、特に予定も無いですし。日曜まで休みなんで 何がのなでも明日 ってのも無いですし」
「『ゴロゴロ』ねぇ」
「あっ、ゴメンなさい」
「『お誘い』するとこでしたね?、せっかくノンちゃんが電話くれたのに。ウトくってゴメンなさい。」
「ホントよぉ(笑)、旦那が居なくて1人なんだぁ、って言ってんのにさ(笑 笑)」
「…て冗談よ。月曜から仕事なんでしょ?、大事にしないと。ムリしちゃダメよ」
「ええ、ですから左手で…。(右手)痛くて中途半端になっちゃったら…」
「もぉお(笑)またそっち(下ネタ)!?、ダメ!、そんな事しちゃ(笑)」
「でも裕美さんよりずっと…」
「『裕美ちゃんより』なぁに?(笑)」
「明日、お昼 付き合って下さい」
「お昼 付き合ってくれたら その時に」
「もぉお、オバサンからかって楽しいの?」
「そんな、からかって なんか…」
「本気なの?」
「本気ですよ、いけませんか?」
「いけませんね!、これでも主人が居るんですから(笑)」
「そうですよね?、ゴメンなさい。失礼しました。あっ裕美さんには言わないで下さいね」
「言わないわよ、そんな事」
「健ちゃんと『お昼した』なんて言ったら 何言われるか?」
「だから どっか探して教えて。わたし普段どうりに起きてるから。1人だからって いつまでも寝てらんないのよ主婦は…」
「え?、良いんですか?」
「しかたないでしょ、『快気祝い』しましょ、ちょっと早いけど(笑)、じゃぁね、お休み」
「ありがとうございます、お休みなさい」
そのまま裕美さんにショートメールで報告した。
『早い方が良いわ』
『明後日 ウチで 3人でやりましょ《退院祝い》、明日 頑張って! お願い!』
と、返ってきた。
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