会社を出て時計を見る。
妻が帰ってくるだろう時間までは、まだ3時間もあった。
そして頭の中では、まだ妻の姿を想っていた。
恥ずかしそうに俯いた顔。
俺が要求した通りに下着をつけていないミニスカートでベンチに座る妻を思い出していた。
興奮は修まりそうになかった。
そこで俺は、妻とよくデートした・・・妻が変態デートを受け入れてくれるようになってから よく使った公園に寄って変えることにした。
オフィス街から少し離れた、大きな公園。
大勢の人がランチや休憩に使う昼間の健全な雰囲気は、夜になると街灯のまばらな妖しい空気になる。
大きく育った木々に街灯の光が遮られた、物陰の多い遊歩道・・・そこはデート帰りのカップルがを覗く男
達の温床になっていた。
19時20分。
俺は入り口から入り、ベンチでイチャイチャと話すカップルを横目に公園の奥に進んでいった。
進めば進むほど人気はなくなり、街灯やベンチの数も少なくなる。
この辺りからが覗き魔の・・・そして俺のように大切な人を覗かれたいカップルのエリアになる。
少し開けた場所に来ると、俺は立ち止まって周囲を観察する。
この先には東屋があり、頼りない電灯だけに照らされたテーブルとベンチがある。
そしてその東屋は、タイミングが良ければ覗かれる以上を望むカップルの特等席として扱われていた。
(人がいる・・・それも何人も・・・)
目立たないように黒や紺のジャージを着た男達が、木や柵の陰に隠れているのを発見して興奮した。
(誰かいるのか・・・いや、居なければこんな場所に男達が群がっているはずがない・・・)
俺は静かに、覗き魔を刺激しないように、その群がった男達の仲間に加わる。
興奮に熱くなる息を殺しながら、ゆっくりと物陰から東屋を覗く。
そこにはスーツ姿の女が1人で座っていた。
お硬い印象の黒いスカートのスーツだった。
胸元が大きく開いたジャケットから白いブラウスが見えていた。
そして俺は、叫びそうになるのをようやく我慢して心の中で呟いた。
(どうして・・・・・菜摘が・・・・・)
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