(彼女の母親が僕を男として見ている。)
妻には言えなかった。もちろん、その確信もないだけに口にも出せない。あくまで、『そんな気がする。』の域なのだ。
しかし、23年男をやってきた僕には分かる。あれは女の目。男を意識している女の目だ。
『どこ行って来たの?』
妻の気配が消えたところで、お義母さんは僕に質問をして来る。回った観光地の名前を出すが、その聞く態度もおかしくなる。
眠いのか頬杖を突き、僕の言葉に興味もなくなっている。しかし、傾いた顔で僕の顔をしっかりと見ているのだ。
僕は頑張って言葉を発していた。しかし、聞く側に手応えがない。もう、僕の話などどうでもよくなっているようだ。
そんな義母に『お義母さんはどちらに行かれたんですか?』と、彼女自身の新婚旅行のことを聞いてみます。
すると眠そうな眼が輝きを取り戻し、水を得た魚のように話し始めるのです。それは聞かされる僕でさえ入ることの出来ない空間。
そこで、『うちのお母さん、ちょっとおかしいところあるから、』と妻の言っていた言葉の意味を思い出すのです。
(アスペだ…。このおばさん、アスペなんじゃないか?)
他人の話に急に興味を示さなくなり、自分の話しとなると他人を寄せ付けない程の勢いで話し始める。これは、アスペと言われる症状だった。
普段の異常なまでの真面目さも、ここから来ていると推測も出来た。やはり、少し普通の人ではないようだ。
ホテルに着いたのは、それから10分足らず。大型スーパーの大きな看板がまだ見え隠れをする、近くのラブホへと車は入って行きました。
ショルダーバッグを肩に担ぎ、僕のあとをついてくる義母。その顔は真面目で、掛けられた眼鏡が更にその真面目さを伺わせていた。
これから、ホテルでセックスするようなおばさんの顔にはとても見えませんでした。
部屋へと入ります。義母はヒール靴を脱ぐと、こだわりでもあるように丁寧に並べます。部屋へと上がった二人ですが、そこに会話はありません。
二度身体を交わしているとは言え、年の差、そしてやはり元義母と元息子です。この状況にはまだまだ馴染むことが出来ず、どうしても遠慮があるのです。
過去2回のセックス。典子さんに笑顔はありませんでした。それに気づいた僕も、全くと言っていいほどに淡白なセックスをしてしまいました。
『チンポをオマンコに擦り付けて射精をさせただけ。』、余裕もなかったとは思いますが、早く終わらせるためだけのセックスを行ってしまったのです。
もちろん、性的な満足感は得られました。おばさん相手とは言え、気持ちよくなって射精までこぎ着けたのですから。
しかし、そこまで。愛撫もそこそこ、相手の女性のことなど考える余裕もない、ただそれだけのセックスでした。
義母はテレビのリモコンを持ち、ベッドにうつ伏せなは転がりました。一緒にホテルへと入った僕よりも、今は日曜の夕方のテレビの方が気になるようです。
僕はそんな義母に背を向け、唯一のアクセサリーである腕時計を外して、テーブルへと置きます。そして、再び義母に目を向けると、彼女に近づくのでした。
こちらに向かって延びた足。お世辞にも色気のある足ではありません。典子さんは少し太め体型であり、やはりその足もそれなりに厚いのです。
しかし、近所の奥さん連中と水泳教室に通っているだけあり、57歳の足にしては締まっています。その厚いふくらはぎに僕の手は置かれました。
筋肉質な感じのする、触りごたえのある足です。そして、僅かに上へとあがったスカートの丈。更にその奥にあるゴツい太股を想像させます。
『なにしてるのよぉ~!やめてよぉ~!恥ずかしいやろぉ~!』
僕の手が、下着が見える程にそのスカートを持ち上げると、それまでテレビに関心のあったはずの義母が怒るように言ってきます。
そして、振り返ったその顔を見て、僕は驚きました。
笑っていました。
あの堅物の真面目なお義母さんが、とても嬉しそうに笑っていたのです。男に身体を触られる歓びなのでしょうか。
見たこともない、弾けた笑顔を僕に見せるのです。
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