その帰り道、とんかつ屋のおばさんの所へ寄ってみた。割り箸を一本づつ
袋に入れている。もうお客は居ないのかと思った。「今日、これから大丈
夫?」と早速せまってて来た。すると店の隅で咳払いがした。振り返ってみる
と一人お客がいたのである。そこへ今度は二人連れのお客さんが入ってき
た。おばさんは、元気良く「いらっしゃいませ」と云ってそのお客さんの対
応し始めた。その隙をついて「じゃあまた!」云って店を出て来た。
やれやれと思っていると、後ろから声がした「後で来て?」「今日は、用事
があって通りすがりに寄っただけだから、また来る!」と云ってかえって来
た。真子も最近とんかつ屋のおばさんの所へ良く行くと見えて、情報が筒抜
けである。僕のかみさんが,真子:「入院したんだって」と云ったらしい。
真理子:「奥さん入院したんだって?」
僕 :「もう退院した!だって三日間だったから」
真理子:「なんで云ってくれないの!」
僕 :「大した事じゃないからだよ!」
真理子:「ラブホに行けたのに、云ってくれないんだから!」
僕 :『このおばさんは、何を考えているのだ、心配をするのではな
く、このチャンスに不倫をしようとしている。』
真理子:「ねぇ!今度は何時連れてってくれるの?」
僕 :「そんな事分からないよ!」
真理子:「・・・・・」
世間話での情報が直ぐに『じゃあこのチャンスにラブホに誘ってもらお
う』とやる事しか考えていないとんかつ屋のおばさんうんざりしている。
廃人直前のあがきなのか、後悔のないように思いっきりスケベな事をしてみ
たいようだ。
男だったら誰でも良いような、ひたすらやりたがっている。こんなおばさ
ん達が、あちこちに群がっていると思うとぞっとする。
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