第十話
デリヘル嬢洋子
昨日の裸の逃走劇から洋子はいつも通り受付嬢として業務をこなしています。
仕事をしている時間が唯一嫌な事を忘れる事ができました。
お昼前になると午前の部が終わり会員さん達が次々と帰宅します。
30代の男性会員の藤原さんが1枚の紙を持ってカウンターに乗せました。
藤原「更衣室のさぁ洗面台の隅にこんなチラシが束で置いてあったよ…」
スーと洋子に差し出しニヤニヤしています。
洋子はチラシに目を通すとそれはデリヘルの広告でした。
何者かが勝手に置いていったのでしょうか。
洋子「ありがとうございます…すぐ撤去しますね…」
藤原「いやあこれ変なチラシだなぁと思って…ほら連絡先も無いし…似てるなぁって…洋子ちゃんに…」
またも浮ついたニヤケ顔で見てきます。
みるみる洋子の顔は赤くなり動揺を隠せません。
チラシ内容は
魅惑のデリヘル嬢
デリバリーするならこの姫をぜひ
すぐにエッチしたい方♡
究極のM女 レイプ願望
ほら貴方の近くに
声掛け早いもの勝ち
誰が最初に孕ませる⁈
特技肉便器プレー
宣伝文句はピンクの文字で大きく書かれています。
その文字の背後にモデルの女優かと思っていた女性は洋子です。
写真は4枚で構成されていてます。
巨根をフェラチオしてピース。
受付カウンターの床でマングリ返し。
公衆便所で舌を出しガニ股で屈みピース。
お尻を両手で開いて女性器のアップ。
全て堀田さんが撮った画像からプリントしています。
その全ては顔にモザイクがあるのですが巨根をフェラチオをしてピースをしている写真だけ違いました。
モザイクはかけてありますが目元だけ無修正です。
洋子の可愛いタレ目に涙ボクロは特徴的で虚ろなカメラ目線は誘っているようです。
会員の藤原「…ちなみに…早い者勝ちってあるけど…これって声かけた事になるのかな…」
藤原さんが話し終わる前に洋子は男子更衣室に走り込みます。
チラシを手に取る男性達数人が洋子を見ました。
…うっ…皆んな違うの…そんな目で私を見ないで…違うから…
会員の男達は皆着替え途中や裸の人もいます。
洋子は場違いなメスのフェロモンを撒き散らし誘惑しているかのようです。
更衣室の男臭は洋子の鼻腔をくすぐり刺激します。
今にも獣達は洋子を奪い合い交尾したいのではと想像が膨らみ呼吸が荒くなり立ちくらみます。
会員男性「…これはちょっと悪質ないたずらだねぇ洋子ちゃん…ほらすぐ処分した方がいい…犯人が分かれば良いけどな…」
会員の方達は皆頷きチラシを洋子に手渡してくれます。
洋子「ありがとうございます…こ…こんなプライベートを侵害して載せるなんて…酷いです…」
男達は…え?やっぱりそうだったのかと顔を見合わせました。
洋子は合成写真を作るのはプライバシーの侵害だと言いたかったのですが気が動転して間違えている事に気付きません。
洋子は人の優しさに触れ男性に対する偏見が酷すぎると反省します。
世の中常識人が多く変態な人は少数派だと気付かされます。
チラシは洗面台の他にパーテーションで6つに仕切られた個室の壁にも貼り付けてあります。
…いつから貼られてたんだろう…そして何人の人がこれを見たのか…急いで剥がしていきます。
全て回収する為仕切りのレールカーテンを開けて回ります。
真ん中の個室に差し掛かった時です。
シャーと勢いよくパーテーションを開けます。
佐々木「あっちょっとぉ…」
会員の佐々木さんがチラシを片手に勃起した自身のペニスをしごいている瞬間を見てしまいます。
使用中の札が掛けてあるにも関わらず洋子はチラシの事で頭がいっぱいでした。
洋子「…いやん…勝手に開けてごめんなさい…」
口から心臓が飛び出しそうです。
条件反射で洋子は奥の個室に逃げ込みました。
…どうしよ…見ちゃった…佐々木さん…チラシを見てオナニーを…本当にごめんなさい…
佐々木さんは20代後半の営業マンです。
何もかも後手になる洋子は申し訳なく最低な事をしてしまいました。
洋子はカーテンを閉め奥の個室の隅でしゃがみ込みます。
やはり男性は処理をしないといけない生き物なのだと高まる鼓動を落ち着かせます。
すると会員男性達は洋子の事を話しだします。
会員男性「リベンジポルノってやつだろ…洋子ちゃんに捨てられた男かもな……」
「腹いせに元カノのエロ画像とか晒すらしいもんな」
「まぁ人は見かけによらないっつうか…洋子ちゃんも可愛いから調教とかされてんだな…」
「あれ?確か洋子ちゃんって結婚して子供もいたよな」
「発情する年頃で…お盛んなんだよ…男も放っておかないって可愛いし…」
「確かにゆうこりんに似てて可愛いよなぁ…チラシ1枚貰っちゃったよ…ははは…」
「なぁんだ俺も貰ったよ…デリヘルかぁ…本当にしてくれないかなぁ…ははは」
…やっぱり皆んな口では優しく慰めてくれたけど…私を浮気するヤリマンと思ってる…
洋子はパーテーションの個室から出る事が出来なくなりました。
その後も他の会員男性達も洋子の話題で持ちきりです。
良い身体をしているとかフェラ顔がエロいなど言いたい放題です。
何人かは洋子とセックスしてみたいなどと良います。
これを機に洋子に声を掛けるなどと話す者もいます。
光栄ではありますが男性の本音を聞いているうちに男という生き物の見方が変わりそうです。
精神的にヘトヘトになった洋子はこんな嫌がらせを受けるなら昨日逃げなければ良かったと弱気になります。
静まり返る男子更衣室から出るとあの若者後藤が下駄箱の側に立っていて息が詰まります。
後藤「僕の本気が分かってくれましたか…洋子さん逃げるからですよ…はいこれ携帯電話…これで連絡するから…」
洋子は手渡された携帯電話を持ったまま立ち尽くします。
洋子「…あの…もうやめて…私…会員さんにも…バレちゃって…お願いだから…」
チラシの束を胸に握り締め膝から崩れ女の子座りして泣きそうです。
後藤「…それは洋子さん次第ですよ…携帯に連絡しますね…肉便器洋子さん…」
落ち着きはらった青年は堀田さんを思わせる加虐性を感じさせます。
洋子はこれから身に起こる不安と恐怖を感じざるを得ませんでした。
つづく
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