「、、、以上がこちらの意向です」
主人は弁護士同席の上、大沢親子、そしてその弁護士と話し合いの場についていた。
まず元の私の店舗と大沢の店については「再買収」ということで合意した。どうせ経営の出来なくなる場所なので、こちらからの買い取りの打診にはすんなり応じた。その資金も、大沢が払った「私への凌辱」の対価で事済ませた。
さすがに二店舗の買収金としては安過ぎだが、、、大沢側はそんなことを言える立場、状況になかった。
「で、橘さん、、地元の本社のことだが、、、」
同席した大沢の父親から切り出した。
「、、それが何か?」
「こちらとしては、本社の立ち退きに関してまでは応じられん、、、もしそちらが引かないのなら争うことに、、、」
「その件は俺が聞こう、、、オッサンよ」
大沢親子は、身も知らぬ男の登場に驚いたことだろう。
風貌そのものは、夫同様落ち着きのある紳士なのだが、見る者が見れば明らかに表社会の人間ではない雰囲気がある。
「遅れたよ、、すまない、橘の旦那」
「いや、、いいタイミングだよ、オーナー」
夫は事前に、東京まで足を運び今回のことをオーナーに相談していた。
「真壁だ。橘の旦那とはある縁での付き合いでな。今回のボンボン息子のしたことについての話は俺に一任されている」
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