「いったいどういうことだっ!?橘さんっ!」
えらい剣幕で、大沢から電話が掛かってきた。
あれから5日後のことだ。
「いったい何のことだ?、、というよりはどの件についてだ?判るように言え」
淡々と夫が返すと、
「こ、この『移転勧告』とか言う書類だっ!さっきナントカ商事とか言うところから速達で、、、」
「ああ、、そのことか。お前、契約忘れたのか?うちの店舗や俺たちの住まいから半径200km圏内ではお前の関係者は商売できないって約束だろ?」
大沢は言葉に詰まったようだ、、、
「いずれにせよ、だ、そこに書いてある通り明後日会おうや。弁護士でもパパでも連れてこい。もし来なけれりゃそこに書いてある通り手続きを進めるぞ」
そう言うと夫は電話を切ってしまった。
「大沢の奴、、電話でも動揺が見えるほどの慌てっぷりだ」
それはそうだろう、、、自分自身だけでなく親の会社のすべてを奪われようとしてるのだから、、、
私たちはあのあと、店の移転先を変更し、店や大沢の店舗のある場所から50kmほどのところに移した。
そして住まいはその新店舗からさらに50kmの辺りに、そこは同時に、ギリギリ私の地元から150kmほどのところにあり、つまりは、大沢の関連会社はこの街と地元の双方で経営が出来ない。
「高くついたな、、、麻由にしたことの恨み、倍にして返してやるよ」
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