今頃、業務命令という名の無理難題を 私の旦那に与えているだろう男の顔がふと頭をよぎった
万年係長より下種というほうがしっくりくるくらい性格の捻じ曲がった男が 自分の机の前に呼び出した旦那を指差して口の端から泡を飛ばしながら怒っている光景
あの男は最低だった
自分では何もしない、失敗は他人になすりつける、自分より上の言葉こそが正義という男
だからこそ自分よりも弱いと思った相手には まるで蛇蝎のごとく扱う
しかも勤務時間中ずっと、延々と続くセクハラの嵐
特にターゲットとなっていた私には、よく女性社員から慰められたくらい、行為そのものが露骨だった
表立った助け舟には 必ず露骨な無理難題が浴びせられるので いつしか影で慰められる程度のフォローだけになった
あの男は最低だった
もちろん、何年か勤めていれば たとえば飲み会や慰安旅行の場でセクハラされる経験は何度かある
けれどそういう場合は・・・というか普通の男は、必ず卑屈な作り笑いをしているものだ
目は無理やり笑みをたたえているか もしくは卑屈に怯えているか
なのにあの下種係長は 獣というと獣に失礼だが 睨むように・・・下から舐め上げるように見ながらセクハラをする
その目は 私の体を縛り頭から理性を奪うアレに似ていた
いや、いつしかそのものになっていっていた
あの男は最低だ・・・と旦那が言った
珍しく飲んだ缶ビールで真っ赤になった顔をピクピクさせながら
卑屈なヒヒヒという笑いを動かない唇の隙間から出しながら言った
知ってるか?と旦那は続けた
いま、僕を叱ってるのは 君を取られて嫉妬してるって噂されてるんだ、あいつ
入っていない缶ビールの缶を2度もあおりながら言う旦那の笑顔を見ながら 私もそうねと答えた
(けれどあの課長、私にお尻の穴まで舐めさせたわよ?)と思うととてもおかしくて
じゃぁ叱られてるときも へへーんって思ってれば平気ねと言いながら私も笑ってしまった
とても気が晴れたのか どうにか勘違いしてしまったのか・・・
あれから旦那は私に課長の愚痴を言うようになってしまって困っている
それを思い返しているからか、シャワーを浴びた後の私の顔は なんとも情けなく欲情していた
そういう子だと思ってたよと言われたのを思い出した
おそらく資料管理室という名の もう何年も前に型落ちした使えない資材の山の中だったと思う
その部屋の鍵を自分しか管理していないことを良いことに、男はたびたび私を呼び出した
一時期など 部屋の古いソファーの上に寝る男の下半身を 足の指まで全部舐めるのが昼食後の30分の過ごし方にされたりもした
ほんとに何をしても 嬉しそうな顔をするねぇと男は続けた
唾液でベトベトになった先を 私の顔に擦りつけながらニヤニヤと笑った
周りから軽蔑されている男から受けるソレは 心の底から屈辱的に感じて
私はいつも それをされると熱く深呼吸しながらタマに吸い付いた
男はその間もずっと 私の顔の化粧を汚すことに熱中する
業務に研究性が高いせいで、事務所内で一日を過ごす社員でも あまり昼の休憩が何時に終わるとは決まっていなかった
もちろん、どれだけ仕事をしていなくとも課長職になれば 対外的な意味でも13時には机にいるのが普通だから 男はギリギリまで私の体の中に入れていても 私に化粧や服を直す時間が無いわけではないと知っていたので 余計に容赦は感じられなかった
課長との関係は 密なものは8ヶ月で終わった
新入社員の間は ほとんどが1年以内に部署を移る
そうやって 会社は個人の適正をみながら 本人に経験と自社の知識をつけさせていた
旦那のように 一定の期間が過ぎて、しかも研究のサポートのようなものが業務になれば移動などほとんどなくなってしまうが
抵抗しないことを確認しながらエスカレートしたセクハラが私の体を自由にするまでになった8ヵ月後
私は他の人と同じように部署を移動した
もちろん課長は私を付けまわしたし 捕まるたびに私は抵抗せず全部され続けたが、それでも私は 目に睨まれてさえいなければ軽蔑する男に近づく可能性を少なくしようと努力できたし頻度は少なくなっていった
少なくなったせいで 行為は異常性を急激に増した
それは旦那と交際を始めたと社内で噂が立った後、特に酷いものに変わった
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