中央道で長野に向かった二人は、諏訪湖SAに車を停めた。
「トイレ休憩よ、コオちゃん」
【うん】
「お昼は松本で食べるから、のんびりしないからね」
10分程して再び車を走らせた。ウイークデーの高速道路は快適なドライブになり疲れもなかった。
長野道に入り松本ICで降りた。
【母さん腹ペコだよ】
「もう少しだからね、松本城のすぐそばで、美味しいお蕎麦食べるからね。もう少しよ。」
松本城を眺める様に店の駐車場に車を停めた。店内はさほど混雑もなく座敷へ案内され、浩二が先に上がった。後から座敷に上がろうとする由里子は、浩二の脱いだ靴と自分の靴をきちんと揃えようと、上がり框の上で右膝を框に着けた。両脚をすぼめて太股が交差する様に腰を下ろし靴をきちんと揃えた。
(かっ!母さん、パンティーが見えそうだよ)
タイトミニがずり上がり、ノンガーターストッキングと太股の境が見える程度に留まった。しかし正面からの視線があったなら、確実にパンティーに隠された部分の膨らみを視られたに違いない。 「コオちゃん、靴ぐらいちゃんと揃えなさいよ。」
由里子は他の客に背を向けて女座りをした。それは浩二が他の客に背を向けて座る様に仕向けた、 フロントスリットの奥を視られない為にだった。
蕎麦を食べ終え、松本城内に入った。階段を一段一段、タイトミニに包まれた形の良い尻が、ゆっくり左右に揺れていた。昇って行く由里子の後ろにピタリと着く浩二、後続者の視線を遮る様にしていた。
旅館に着いたのは午後4時を少し回っていた。古い木造建築、欅を惜しみ無く使い、柱の表面がピカピカに成る程の老舗旅館だった。
部屋に案内され、窓際に立った由里子がバックからハンカチを取り出し、そっと目頭に充てていた。
【いい景色だね母さん…】
「うん、ほんとにね、コオちゃんと来れて良かった。」
山の中腹に位置する宿は、静かな風に靡く木々、小鳥たちの囀ずり、透き通る空気に満ち溢れていた。
「さっ、夕食の前に温泉よ」
衣服を脱ぎ、ストッキングをスルスルっと丸めながら脚から抜き、きちんと畳み浴衣を着た。浩二は浴衣姿の母が妙に妖艶に見えていた。
「ほら、コオちゃんも浴衣に着替えて。温泉入るよ…」
【あっ!あぁ~】
「はい、コオちゃんのパンツと肌着これね。…私は、この浴衣だと濃い色は透けちゃうな、やっぱり白ね。母さん先に行くからね」
部屋を出て廊下を歩く母の後ろ姿、浴衣に隠され、丸い尻に貼り付く小さな水色のパンティーラインがうっすらと浮かび上がっていた。
30分程して浩二が先に風呂から部屋に戻って来た。由里子はまだ戻っていない。夕食は6時半から大広間でお願いしますと中居が言っていた。まだ1時間半程ある。
浩二はスマホをバックから取り出し、孝にした。
浩二… 今旅館。すっげえ古い木造の宿だよ。風呂は広くて、お客少ないから泳いで来たよ。遊ぶ物なんもねぇ~(笑)…
孝…そっか退屈そうだな~。でも今夜綺麗なママと一緒に寝るんだろ?あ!ママ浴衣で寝んのかな?(* ̄ー ̄)ノーブラかな?オッパイ吸ったりすんじゃねえぞ!!(笑)ってか冗談よん。…
浩二… ばーか。
30分程して由里子が風呂から戻って来た。
【母さん、ずいぶんゆっくりだったね…】
「それがね…コオちゃん覚えてないかな?ここに来て山登りしたの覚えてる?」
【覚えてるけど?なんで…】
それは、浩二が小学生の時だった。夫が急な社用で一泊後の朝、先に帰ってしまった後での事。浩二と二人で山に入り、母子だけではと、一緒に歩きませんか?と、誘ってくれた夫婦が居たのだった。
声をかけたのは白髪の、年の頃なら、60半ばの男。由里子の記憶には無い白髪の男だった。しかし男は由里子の事を確り記憶していた。当時の事話す男の、いや、夫婦の事を思い出した由里子の顔が紅くなった。
それは由里子にとって、初めて視てしまった、いや魅せられてしまった。そして夫以外の男と…。当時この旅館の裏山、宿から徒歩10分程の場所に露天風呂が有った。小学生の浩二が眠っているのを確認した由里子は、真夜中にその露天風呂へ行ったのだ。女湯と書かれた脱衣場に入った。脱衣篭は全て空、由里子だけの露天になるはずだった。
暫く湯に浸かり、人の気配を脱衣場から感じた。ふと脱衣場の出入口に視線を向けた由里子は、疑った!出入口が二つ有ることに気付いたのだ。そして、男の脱衣場に人影、女の脱衣場にも人影が写っていた。そして混浴だと気付いた。迷う間も無く男女ほぼ同時に入って来たのがその夫婦だったのだ。
奥さんならともかく、ご主人に裸の自分を視られる事に抵抗が無い訳がない。しかし出るに出られない、ただうつ向き、二人を視ない様に努めていた。
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