エレベータの前で二人は抱き合っている
姉さんは西野さんのコートをつかむ
「嘘じゃない・・・」
「顔に出てますよ?脅迫してでも貴女がほしい・・・」
「・・・サイテーだね、君」
「先生、愛してます」
「・・・・ぜったい、誰にも言わないで、お願い」
エレベーターが開いて
西野さんが姉さんを引っ張りこむ
また抱き合って
西野さんは姉さんにキスをした
姉さんは抵抗せずに受け入れている
姉さん・・・姉さん
エレベーターの扉が閉まった
僕は無意識に階段を降りていた
無我夢中で
下につくと
甘い声が聞こえた・・・そっとのぞくと
西野さんが姉さんを壁に押し付けてキスを激しく続けているのが見えた
姉さんは受け入れて舌をからませている
「んっ、、、っ、、」
「先生、愛してます・・・本気です」
「だめ、、、こんな所で、、」
「見られてもいい、見せつけてやる」
またキス・・・すごく激しい大人のキス
僕は動けない
なんでかは分からないけど動いちゃいけない気がした
「先生・・・送ってくれるんでしょ?」
「送るだけ・・・すぐ帰るから」
「じゃ、ホテルに行きますか」
「・・・待ってよ、そんな・・・」
「先生、俺だってこんな事したくない・・・すみません、でも・・・欲しいんです、貴女が好きなんです」
「西野くん・・・」
またキスして
二人は抱き合った
それがどれくらい続いただろうか
二人は手を繋いで車に乗った
乗る前にもキスをしていた
僕は・・・ただ見てる事しかできなかった
車が動きだして
遠くに消えた
僕は無心のまま部屋に戻った
どうして止めなかったんだろ、情けない
でもね
僕らはまだ引き返せる所にいるんだもん
姉さんと僕は体の関係はない
僕は堕ちてもいい
でも、姉さんは未来がある
仕事を続けられるし
結婚して子供を作って幸せになれる
そんな可能性がある
僕はダメだ
好きだとは思うけれど
愛が分からない
どいうものなのか分からない
母さんが僕に注いでいたそれが愛ではない、異常だ
それは分かる
じゃあ何が愛なの?
僕は姉さんを幸せにできる?
・・・分からない
近親相姦なんて報われない関係で幸せになれるの?
・・・無理だよ
罪悪感を感じながら好き合うなんて苦しいもの
あー、僕は間違いをしたんだ
あのまま、母さんといれば
僕は大好きな姉さんを悩ませる事なんてなかったんだ
僕は・・・・やっぱり母さんの作品なんだ
自我の無いただの作品
美しくて勉強ができてみんなに好かれるだけの
ただの作品
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