「うえるかむ!後輩!」
姉さんが炭酸ジュースを注ぐ
もう酒は諦めたそうです
今日は西野さんが遊びに来てくれた
「先生、ごちになります」
「たーんと食いたまえ!」
宅配ピザなんて久しぶりに食べるなぁ・・・
「西野くんは海外で写真とった事ある?」
「ええ、何度かありますよ」
「ほぅほぅ・・・」
ぐびぐびジンジャーエールを流し込む姉さん
「先生は紛争地帯にもアマゾンのジャングルにも行った事もあるんですよね?」
「まーね、亡骸ばっかりで悲しかったけどあれが現実なんだよね・・・アマゾンはいい経験だったけど二度と行きたくないよ」
「先生は戦争が無くせると思いますか?」
「・・・・できるかもしれないね、全世界の人に日本人的思考を植え付ければ」
「あはは、それはないでしょ」
難しい話なので僕は聞くしかできないなぁ
「平等は無いもん、平等は理想だけど現実にはどこにもないし、できない」
「・・・そうですよね」
「平等な世界になったとしても、不平不満は出るものだよ、きっと」
「人間は欲の生き物ですからね」
「そうそう・・・」
あー、ついてけない
僕はピザを味わおう
「きっとね、人は欲で滅ぶんだよ、きっと」
「歴史を見ればそう思えてきます」
「瑞希くんはどうおもう?」姉さんが僕の頬をつつく
えー、僕!?
「・・・えっと」
「うんうん」
「宇宙人に侵略されちゃうって可能性もあるんじゃない?」
「やぁ、、、、なにその発想、、、かわいぃ、、」
また姉さんふにゃふにゃしながら抱きついてくる
ブラコンさらしちゃダメだよ姉さん・・・
西野さんは笑いながらウイスキーを飲んだ
この人お酒強いんだなぁ
「瑞希くんはどんな大人になりたい?」
西野さんにそう聞かれて
答えが出なかった
そうだ、僕は将来の事を考えていなかった
母さんにされるがまま、従ってた
ああ、やっぱり僕は・・・
「瑞希くんはかっこかわいい大人になるさ!私がそう育てるよ」
姉さんが察したのか間に入った
「このままかわいい瑞希くんもいいけど、かっこいい瑞希くんも見たいなぁ・・・そしてダンディな中年瑞希くんも!」
「はは、先生は瑞希くんの事好きなんですねぇ」
「えへぇ、、、大好きだよ」
西野さんは弟として好きなんだと思ってるんだろうけど
・・・正解はどっちも
弟としても、異性としても
好いてくれている
「僕は・・・」
「ん?」
「僕はモデルになろうかな」
西野さんのメガネが光った気がした
「ぜひ!目指そうよ!俺と!」
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