「無意識に口にしてたんだな。『お父さん』って…うわごとみたいだった。」
「…わかんない…」加奈子は少し亮一から体を離し、黙りこくった。
「加奈子はその時、どういう心境だったのかな。なんで『お父さん』って」
亮一が言い終わらぬうちに加奈子は「お父さんと…エッチな事してるつもりになってたの。」
と早口で一気に言うと、ガバッと布団をかぶり顔を隠してしまった。亮一はあ然とした、
いや以前健次にも、今加奈子が言ったような事を言われたから、まるきり想定外の言葉
ではなかったのだが、いざ実の娘に告白されると何とも言えぬ思いがした。
そして娘をはずかしめぬよう、言葉を選んでこう言った。布団をそっとめくり
「こら、顔見せて。加奈子はエッチなコだな。でもお父さんも娘に対してエッチな事
考えてたんだから、おあいこかな?いや、お父さんの方が加奈子を騙していやらしいこと
実行したんだから、お父さんの方がエッチで悪者だけど。」と言い娘の髪を優しくかきあげた。
すると加奈子は亮一の首に両手を回し、ぐっと顔を引き寄せ父親の頬にチュッとキスをした。
「お父さん、好き。」そして何度も、それこそうわごとのように言いながら何度もキスをした。
※元投稿はこちら >>