絶頂を迎えた後、二人は黙ってグッタリしていたが、体が回復した後も気まずい沈黙が続いた。
重苦しい空気の中、加奈子が先に口を開いた。「健次おじちゃん…じゃない…よね?」
相手はなおも黙っている。「お父さん…」加奈子が言い終わらないうちに男が言葉を発した。
「ゴメン…」加奈子の思ったとおりそれは亮一だった。そして再び続く沈黙の後
「どうして」と二人同時に口を開いた。父に促され先に加奈子が
「どうして健次おじちゃんのフリをしたの?髪型や服まで…。おじちゃんの事怒ってたのに
どうして私と?」と尋ねた。亮一は娘に何と答えたらいいかわからなかったが、
「お父さんは卑怯者だ。すまん」と振り絞ったような声で言うと頭を下げた。
娘の問いにきっちり答えた訳ではないが、加奈子は別に父を責めているわけではないし、
父がうなだれているのが可哀想に思えた。「お父さん、いいの。おじちゃんも言ってだけど、
お母さん死んでからお父さん寂しかったんでしょ?男の人は女の人とああいう事しないと
病気になるって。加奈子がお相手すればって。親子なのに…。
でも他の女の人にお父さん取られるのも嫌だと思ってた。
お父さんも私とおじちゃんの事見てやきもち焼いちゃったのかな?」
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