直樹の仕事への情熱が伝わって来る。また、成長したように思えた。
「今、円高だからチャンスなんだ。米ドルが80円弱、シンガポールドルに至っては、60円弱だし。機を逃してはいけないという会社の方針なんだ。。。現地での設備投資から人材確保とやることが多すぎてね。」
「出張も多いんだってね。」と気圧され気味に私。
「隔週で一回のペースかな。ジャカルタ、クアラルンプール、ハノイ、オーストラリア。そして、最近注目されてるのはミャンマーだね。。。あの有名なアウンサン・スーチーの国で、今急速に民主化が進行中だし、あまり知られていないけど人口8000万人のマーケットだからね。民度も高い。いち早く拠点をと考えてるんだ。」更に、直樹の話は、熱を帯びてきて止まらない様子だ。
「お前若いのに任された仕事をやってるんだな。頑張ってるんで、うらやましいよ」と口を挟むのが、やっとだ。
直樹の仕事の話が、延々と続いたため。久美さんも、業を煮やしたかのように「直樹ったら又仕事の話でしょ!好きなんだから。。お店の後片付けするわ。」と離席した。直樹と話ながら、久美さんの後ろ姿と形の良い大きなヒップを目で追った。
「ところで。お母さんシンガポールに長く居たね。それに、一緒に、お前の出張先に付いていったみたいだけど。」久美さんのことに話題を振った。
「うん。こっちは、円高だから滞在費や旅費が安いからね。それに、お袋も俺にべったりしたかったんじゃないかな。何せ若作りだから、行く先ざきで夫婦に間違えられたりして。お袋は、喜んじゃって。おおはしゃぎだったよ。だから長く居たんじゃないの?ハッハッハ。。。」直樹が、愉快そうに笑った。思わず、夫婦に間違えられたついでに、親子で○んこばっかりしてたんじゃないの?!と言いそうになった。じゃないと、久美さんの生理が遅れた話なんか親子でしないだろう。と思ってしまった。。その時、久美さんが席に戻って来た。「まだ盛り上がってるわね。そろそろ閉めるわよ。」と目で合図してきた。
「まあ、健一お袋のこと頼むよ。いかにもクールに接しているように見えて、お前のことを凄く信頼してるんだから。。」最後に直樹の宜しくで切れた。同時に久美さんが、私の横に座った。
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