暫くしてノックが止んで、立ち去る気配がした。恐る恐るドアを開けると、メモが貼り付いていた。
「連絡ください!田中」とある。「田中が来たんだ。わあ大変!今日は、6時から約束があったんだあ、いけない忘れてた!」私は、ガバッと跳ね起きて、素頓狂に叫んだ。
母はというと。全く事情が掴めないのか、余韻が残っているのか。私の○んぽを頻りに指で弄んだり、私の胸の辺りにキスしたりだ。
「ごめんなさい、突然親父とお袋が来たりして。忘れてた。」大慌てで、田中に連絡を入れた。
「いやあ律儀なお前が来ないんで、皆で心配してたとこ。。。今、高木由美子さんの面接が終わって。吉川や恭平も一緒なんだけど。健一来れる?」田中の相当困惑している様子が伝わってきた。
「親父は帰ったんだけど、お袋が泊まりになるんで。」と私。「そうか、お母さん来てるの?しょうがないね。どうせ朝まで、お○んこだろうから。」やっと、田中に許して貰えた。相変わらずの田中の過激さに、苦笑いしてしまう。
「大丈夫だった?」母もやっと状況が掴めたようだ。ニッコリ微笑みながら、私の身体を引き寄せキスした。メガネを外した母の顔は、知的というか美しくて見とれてしまった。
「お腹空いたね母さん。これから街に出て食事しない?」「わあ嬉しい。健ちゃんとデート出来るんだ。」母が、まるで若い娘のようにはしゃいだ。この純真無垢なところが、母の魅力で男を飽きさせないものがある。
土曜日の繁華街は、人出でが多く賑わっていた。母は、恋人同士のように、ぴったりと私に身体を寄せて来た。私といるのが楽しくてたまらないという感じだ。163センチの母と175センチの私は、年齢差はあってもカップルとして、中々様になっていた。
時折、すれ違う歩行者が怪訝そうに私と母の顔をチラ見したりするが、全然気にならなかった。
母が指を絡めながら、「私達なんだか夫婦みたいね。」と私を覗き込んだ。
「夫婦みたいと言えば。。シンガポールにいる親友の直樹のところに、お母さんが訪ねて行ったんだけど。ヤッパリ夫婦に間違えられたんだって。。。俺将来は、母さんみたいな人と結婚したいな!」と私。
「あら、母さんみたいなじゃなくて、母さん!と。って言ってほしいな。」土曜日の夜の街の熱気に興奮してきたのか、歩きながら、真面目な母が、珍しくエスカレートした物言いをしたので。
「うん友枝と結婚したい。赤ちゃんも産ませたい!」と返すと。母が、顔を赤らめて。
「まあ健ちゃんったら!いやだあそんなこと!」街中なのに、これ以上ないくらい母が身体を寄せてきた。
その時、後ろの方から「オーイ健一!」という私を呼ぶ声がした。
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