自宅の玄関を鍵を開けて中に入ると、半分開いたダイニングのドアに身を
隠すようにして、不安そうな顔でこちらを覗き見ている義母の顔が見えまし
た。
「ただいま、亜紀子」
玄関口で靴を脱ぎながら、義母に明るい笑顔で声をかけると、
「まぁ、驚いたわ。…どうしたの?こんなに早く」
と義母は安堵したような表情でドアから全身を出し、眼鏡の奥の目と口元
を、心なしか嬉しげに弛ませて近づいてきました。
白のブラウスにこげ茶色の丸首のセーターで、薄茶色の花柄模様のスカー
ト姿でした。
「今日は午後から休暇をとってね…昨日の亜紀子との約束を果たしに行っ
てた」
「えっ?…約束って?」
と義母は色白で厭味のない気品さの漂う顔に、訝しげな表情を浮かべて、
僕の前できょとんと立ち竦みました。
玄関口に上がり込んだ僕は手提げ鞄を床に落とし、唐突に義母に近づき彼
女の小柄で華奢な身体を抱き締めていました。
「あっ…」
と驚いたように小さく声を上げた義母でしたが、然したる抗いの素振りはなく、
「ど、どうしたの?…何かあったの?」
と僕の両腕の中に身を委ねたまま、心配そうに声をかけてきました。
「亜紀子を抱きたくなったから…飛んできた」
「まぁっ…」
「それもほんとだけど…今日ね、小村の家に行ってきた」
「まぁっ…」
僕の顎の下あたりからまた義母の驚く声がして、僕を見上げるようにして、
「それで…大丈夫だったの?」
「今こうして五体満足で、亜紀子を抱いてるじゃないか」
「何ともなかったのね。…でも、すぐに行くなんて」
「善は急げじゃないけど、こういうことは早く動かないと駄目だ」
「無事でよかった…そうね、だから浩二さんがここにいるのね」
「亜紀子を誰にも渡したくないからね」
そういって僕は義母の細い顎に指をかけ、顔を上に向けさせると、彼女のかた
ちのいい赤いルージュの唇に、唇を重ねにいきました。
「むむっ…」
と義母はかすかな喘ぎを見せながら、歯と歯の間をすぐに開いてきました。
僕の舌が義母の狭い口の中で、すぐに彼女の濡れた舌を捉えました。
義母の細い両腕が、僕の背中のほうに回ってきていました。
まだ陽光の明るい玄関の上がり口で、僕は義母を長く抱き締め、彼女の舌を舌
で長く愛撫し堪能しました。
「亜紀子の室へ行こう」
長く重ねていた唇を離し、義母の耳元に囁くようにいうと、
「暖房入れてないから寒いわよ。…それに」
「それに、何?」
「もう時間も…」
「長く愛してほしいから?」
「そんな…意地悪。居間は暖房入ってるわ」
僕とのまるで予期していなかった時間と場所での、長い抱
擁に戸惑いながらも、義母の顔と首筋のあたりが、仄かな朱
色に染まり上気しかかっているのがわかりました。
「今日は月曜日だよ。…一週間が長い」
「そんな…無理をいわないで…わ、私も同じよ」
そういって義母はまた顔を赤く染めていました。
平日のこんな時間に、家の中で義母と二人でいることが、不
思議に新鮮に思えました。
夕食の用意もあるからと義母がいうので、二人は結局居間へ
向かいました。
義母の携帯が鳴ったのはその時でした。
「あら、由美からだわ」
義母は携帯を耳に添えながら、ダイニングに足を向けていま
した。
あら、そう…大変だわね…お夕飯は?…そう…遅くなりそう
ね…気をつけてね。
義母の携帯の応対で、由美の帰宅が遅くなりそうだというの
が、朧気にわかりました。
「由美からだけど、部活の後、緊急のPTA役員の会議が八時か
らあるんですって。…また苛めの問題らしいわ」
「そう…教師も大変だね」
「話が紛糾しそうで、帰宅が十時くらいになりそうって」
ほどなくして由美から僕の携帯に、同じ内容のメールが届き
ました。
「亜紀子の室の暖房入れてくる」
妻の帰宅が遅くなるということに乗じて、狡猾にも僕はそう
いって義母の返事を待つことなく、素早くソファから立ち上が
り居間を飛び出しました。
五分ほどで居間に戻ると、義母はエプロン姿でダイニングの
調理台の前に立っていて、
「お夕飯の支度だけ…しておくわ。二人だけだからもうある
ものでいい?」
と僕に背中を向けたまま、そう声をかけてきました。
その声はあたかもこの後、僕と二人で寝室に行くことを暗に
許諾しているような響きでした。
「コーヒーでも淹れましょうか?」
手早く支度を終えたのか、エプロンの裾で手を拭きながら、
義母がこちらに向かってきていました。
「いいよ、外で飲んできたから」
と僕は小さな嘘をついてソファを立ち上がり、義母の側に寄
りつきました。
「あっ…あん」
正面から義母の身体に抱きついて、徐に彼女の細い首筋に唇
を這わしてやると、彼女は気恥ずかしげに顔を横に逸らして小
さな声を上げました。
そこでまた義母の唇を奪い、舌を強引に口の中に入れてやる
と、僕の肩におずおずとした動作で手を回してきました。
僕の手が義母のスカートのホックを外しにかかった時、彼女
の目が驚いて大きく開くのが見えましたが、僕は構わずにその
動作を止めず、スカートは彼女の腰からするりと脱げ落ちてい
ました。
「こ、こんなところで…」
義母はそういって僕の腕の中で、慌てて身を捩りました。
「昨日の亜紀子の、下半身だけ裸というのがすごく興奮した
んだ」
と僕が耳元で囁いてやると、
「そ、そんな…恥ずかしい」
と彼女はまた顔を赤く染めて俯いてしまいました。
そのまま僕は膝を折り、義母の前に腰を下ろしました。
白いガードルと肌色のパンティストッキングが露出し、僕は
躊躇うことなく義母の腰のあたりに手を当て、昨日と同じよう
にガードルとパンティストッキングと、その中のショーツを足
元までずり下げました。
「ああっ…は、恥ずかしいわ」
剥き出しになった細くて白い両足を窄めるようにして、義母
はその場に立ち竦むだけでした。
いつの時からか、僕の心の中の嗜虐性にスイッチが入ってい
ました。
「亜紀子一人を恥ずかしい目にしない」
と僕はそういって、自分もその場でズボンのベルトを外し、
トランクスと一緒に脱ぎ下ろしました。
「ほら、もう…」
僕の剥き出しになった下半身を目の当たりにしたいきなりの
羞恥に、義母は顔だけでなく耳朶のあたりから首筋までを赤く
染めていました。
まるで金縛りにでも合ったかのように身を固くして立ち竦ん
でいる義母の両肩に僕は手を置き、ゆっくりと彼女の身体を下
に押さえつけていました。
強張っていた義母の身体ががくんと折れ、僕の前に膝まづく
ようになりました。
義母の顔のすぐ前に固く屹立した僕のものが真横に突き出て
いました。
僕が義母に何を要求しているのかを彼女は察したようです。
義母の細い指がゆっくりと動いて、僕の股間に添えられてき
ました。
上から見下ろすと眼鏡をかけたままの小さな顔が、僕の股間
の茂みに近づき、窄まった唇が横向きに突き出た僕のものの先
端に触れてきました。
目を閉じたままの義母の窄めていた唇が徐に開いたかと思う
と、赤黒い僕のものの先端をゆっくりと口の中に含み入れてい
きました。
小さく咽せ返りながらも義母は小さな口の中に、僕のものを
深いところまで含み入れました。
僕の太腿に、膝まづいた姿勢の義母の両手が、支えのように
当てられていました。
唇を丸く窄ませた義母の小さな白い顔が、ゆっくりと前後に
動いてきていました。
口の中で時折、すでに固く屹立した僕のものが喉に当たり、
義母は何度かえづくような声を洩らしたりするのですが、僕に
ひたすらに忠実を尽くそうとしてか、顔の前後への動きを止め
ることはありませんでした。
いつの頃からか、義母が僕からのどんな恥ずかしい命令や指
示にも強く抗うことはなく、隷従の姿勢を見せてきているよう
な気が、何となくでしたがしていました。
僕には嗜虐性が、義母には被虐性が、お互いにこれで生きて
きた中では、ほとんど気づくことも知ることもなかった性癖が
芽吹き出してきているようでした。
やがて僕は自分から動き、義母から身体を離しました。
「室に行こう」
と短くそういって、義母の細い腕を掴み、膝まづいていた彼
女を立ち上がらせました。
僕のものを長く咥え続けていた後のせいか、義母はぜいぜい
と苦しげな息を吐いていて、口元のあたりも自らの流し出した
唾液で夥しく濡れそぼっていました。
下半身だけを剥き出しにした男と女が、寄り添うようにして
空気の冷えた廊下を歩くことに、何故か僕は奇妙な興奮を覚え
ていました。
理性ある大人としてそれなりに年齢を重ね、清楚で清廉な印
象がいつも際立つ義母が、僕の卑猥な指示にも強固な拒絶を見
せることなく、しずしずとまだ陽光の明るい廊下を歩いている
のが、僕の邪淫な昂まりを大きなものにしていたのです。
剥き出しにされた下半身の恥ずかしい部分を、それでも義母
は少しでも隠そうとしてか、内股気味の小さな歩幅で廊下を歩
き、その顔は羞恥の朱色に濃く染まりきっていました。
僕が前もって用意していたことでしたが、義母の寝室には温
かい暖房の空気が漂っていて、室の中央には布団まで敷かれて
いました。
室に入った時、義母は布団まで用意周到に敷かれていること
に、少し驚いたような表情を見せたのですが、自分の恥ずかし
い姿を早く隠したいという思いからか、慌てるように布団に潜
り込もうとしました。
布団に身を倒し込もうとした義母の片腕を、僕は咄嗟に掴み
取り、
「亜紀子、ここで一緒に服を脱ごう」
と徐にいったのです。
え?というような表情で僕の顔を見上げた義母の顔が、また
色濃い朱色に染まりました。
「ここで立ったままだよ。…僕が先に脱ぐ」
そういって僕は義母の腕から手を離し、彼女の目の前でスー
ツの上着から順に、上半身の衣服を手早く脱ぎ捨てました。
つい今しがた下半身だけを無様に露出して、羞恥の表情を一
杯にしながら、まだ薄明るい廊下を歩く義母の痴態に、僕の内
心は自分でも驚くくらいに興奮していたのです。
布団の中央で僕は素っ裸の身を晒しました。
僕のそのすぐ前で、義母は唇に指を当て、慄きの少し入り混
じったような羞恥の表情のまま、茫然と立ち尽くしていました。
「さぁ、亜紀子も脱いで」
そういって義母を促した僕でしたが、さすがに彼女の躊躇い
は大きかったらしく、すぐには動こうとはせず、さあ、という
僕の二度目の催促の声に、おずおずとセーターの裾に手をかけ
たのでした。
剥き出しのままの下半身をまだ少しでも隠そうとしてか、細
くて白い太腿をぴたりと密着させながら、義母は羞恥の表情を
露わにして、僕の前で焦げ茶色のセーターを首から脱ぎ、白い
ブラウスのボタンを一つ一つ外し取っていく姿は、これまでに
なかった興奮でした。
ブラウスが義母の肩からするりと脱げ落ちました。
黒の小さな布のスキャンティと薄紫色のブラジャーが、義母
の雪のように白い肌から浮き上がるように見えました。
スキャンティの細い肩紐が外れ落ち、ほんの少しの躊躇の後、
義母は僕に背中を向けるようにしてブラジャーのホックを外し
取りました。
「亜紀子、こっちを向いて」
背中を向けたままの義母にそう声をかけると、彼女は左腕で
露わになった乳房を、右腕で下腹部を覆い隠すようにして身体
を正面に向けました。
年齢の衰えはさすがに隠せない肌の張りでしたが、肌理の細
かさが一目瞭然にわかる艶やかな肌の光沢はそれを補って余り
ある白さで僕の目を虜にしました。
僕のほうから義母ににじみ寄り、小さく細い肩の上から腕を
廻すようにして、改めて彼女を抱き締めました。
義母の細い両腕も僕の行為に呼応するかのように、強い力で
背中に巻きついてきました。
そのまま長く唇を重ね合ってから、二人の身体は深く密着し
たまま布団に倒れ込みました。
仰向けにした義母の横に添い寝するような姿勢をとって、僕
は彼女の唇に唇を重ねて、片手で彼女の小さなお椀のような乳
房を揉みしだいていました。
口の中で義母の舌が激しく僕の舌に絡みついてきていました。
乳房を揉みしだいていた手を僕は徐に義母の下腹部に下げ下
ろしました。
「うっ…うん」
塞がれた口から義母の声にならない声が洩れました。
下腹部に伸ばした僕の手が、義母の茂みの中の肉襞を割って
入っていました。
「亜紀子、すごく濡れてるよ」
肉襞を割った手の指先に感じたことをそのまま義母にいうと、
「ああっ…は、恥ずかしい」
「いつから濡れてた?」
と僕が意地悪に聞きます。
「し、知りませんっ…そんな」
「すごく滑ってるよ」
「い、いや…いわないで…ああ」
「卑猥な女だ、亜紀子は」
「ああっ…こ、浩二さん」
義母の茂みの中の僕の手は指だけでなく、彼女の体内から湧
き出てきている滑りのある滴りに、掌全体がしとどに濡れそぼ
っていたのです。
「もう入れてほしい?」
「ああっ…い、いや」
「どうなの?亜紀子」
「し、知らないっ…」
「入れてほしくないの?」
「ああっ…も、もう…」
「自分からいわないと…」
「こ、浩二さんの意地悪。…お、お願いっ」
「ん?…聞こえなかったよ」
「ああっ…浩二さんっ…お願い…入れて」
「何を?」
「あ、あなたの…ち、ちんぼ」
「どこに?」
「ああ…わ、私の…おめこに」
「益々卑猥になってるよ、亜紀子」
「あ、あなたが…」
そのあたりで僕は上体を起こし、義母の両足を割り、その間
に自分の下半身を入れ、そのままそそり立ったものを一気に彼
女の濡れそぼった箇所に突き刺したのでした。
「ああっ…」
一際高い咆哮の声を上げて、義母の小さな頤が突き上がるの
が見えました。
飽きることのない心地のいい狭窄感が、義母の体内に沈んだ
僕のものに、何か切ないような刺激を留まることなく与え続け
てきていました。
数分ほどの間、腰の律動を続けていた僕はあるところで、義
母と密着したまま、彼女の上体を起こし上げ、逆にそのまま自
分が布団に仰向けに倒れ込みました。
僕の腰の上で義母が跨るように座り込むかたちになりました。
「ああっ…い、いやっ」
唐突に僕の身体の上に馬乗りになったような体勢にされて、
義母の顔が激しく狼狽するのが下から見えました。
「こ、こんな…は、恥ずかしいわ」
狼狽の上に動揺まで入り混じったような義母の表情を、僕は
下から見上げるようなかたちになっていました。
恥ずかしげに身を捩らせたり、前に倒れ込もうとする義母を
手で制したりして、僕は突き刺したままの下腹部を下から強く
突き上げたりして、彼女の身体を弄びました。
「ああっ…あ、当たるっ、当たるの」
「何が…?」
「あ、あなたの…ち、ちんぼが…」
「どこに当たるの?」
「ああっ…わ、私の…おめこの…奥に」
「気持ちいいの?」
「ああっ…き、気絶しそう」
僕は下からの突き上げにさらに力を込めました。
「ああっ…浩二さんっ…こ、こんなの初めてっ」
「気持ちいいか?亜紀子っ」
「ああっ…ほ、ほんとに…死にそうっ」
僕の腹の上に置いた義母の手が幾度となく折れ曲がり、上体
を前に倒れ込まそうとしてくるのを、僕は何度も下から支え持
つようにして突き上げを繰り返しました。
「ああっ…だめっ…も、もう、浩二さん…私っ」
「亜紀子、ぼ、僕もだよ。…亜紀子のおめこ、よく締まる」
「も、もう…ほんと…ほんとにだめっ」
「逝くよっ、亜紀子っ」
「ああっ…は、はいっ…こ、浩二さん」
騎乗位の姿勢のまま僕は、義母の体内深くに夥しい迸りを余
すことなく放出し果て終えたのでした。
僕の強烈な最後の突き上げを受けた義母は、背筋を反らせる
ように高い咆哮の声を上げて、そのまま意識を失くし、僕の胸
に倒れ込んできていました。
しばらくの間、二人の身体は折り重なるようにして、布団の
上で繋がっていました。
途中で布団に仰向けに寝かせた義母が意識を戻したのは、そ
れから十数分後のことでした。
その間に僕は脱ぎ捨てたスーツのポケットから携帯を取り出
し、画面を開き見ると、二時間ほど前に会ったばかりの小村武
からの着信が三度ほど入っていました。
義母を布団の上で仰向けにしてつらぬいている時くらいに、
僕は携帯のかすかなマナー音がしていたことに気づいていたの
です。
小村武の何かをいい澱んだような声が、僕の耳元にざわめく
ように思い浮かんでいました…。
続く
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