優に連れられるまま階段を登った。目の前にはショートパンツから足の付根とお尻がチラチラ見えて思わず股間が熱くなりそうで下を向いた。
優の部屋は、予想していたより物がないシンプルな部屋だった。でも、ベッドにぬいぐるみが数個置いてあり、女子が持ってるような小物まであった。
「あんまりその辺ジロジロ見んな」、笑いながら言われた。
やけに家の中は静かだった。そういえば階段上がる時に靴はなかったし、人の気配もしない。
「親、いないの?買い物?」と聞くと
「ああ〜、なんかさ、おばあちゃん具合悪くて入院したみたいで。大したことなくてすぐ退院するみたいだけど、一応顔出してくる、って朝2人で出かけたんだ」
それと聞いて、今日は期待してなかった変な気持ちが大きくなっていった。
それからしばらく過ごしていると、優のスマホが鳴った。「あ、親からだ」と部屋を出ていった。
1人残された俺は、立ち上がって部屋の中を見回していた。そしてベッドの下に目をやった。ベッドの下には幾つか箱本があった。マンガ本のようだ。その中の1つを手に取り、パラパラとページをめくってみた。それはBL(ボーイズラブ)のマンガだった。それもけっこうどぎついやつ。
他の本も見てみたが、全て同じようなものだった。
その時、優が戻ってくる気配がしたので、急いで本を戻し、元の位置に座った。
そして、戻ってきた優に、何事もなかったかのように、電話なんだった、と聞いた。
「うん、おばあちゃん全然元気だけど、少しおじさんたちとも話したいから、今日泊まるって。元々帰るの夜中くらいになる予定だったから。僕も夏休みだから、急いで帰る事もないだろ、って」
「あ〜、今日は一人かぁ…」と言ったあと、こっちを向き、またニカッっと笑いながら「泊まっていく?」と聞いてきた。
一晩優の家に泊まる?俺はまた良からぬ妄想が湧いてきた。でも、「いや、そんないきなり無理だろ」
無理、と言ってるのに、「泊まっても襲わないでね笑」と続ける。「なっ!おまえ!…」
と立ち上がろうとした時、バランスを崩して優を押し倒すように一緒に倒れてしまった。優はびっくりして倒れたまま固まっていた。顔は赤くなっていた。
「わ、悪い!大丈夫か?」慌てて起こそうとしたが、優はベッド下に目をやり、あっ、と小声で呟いた。
「ここの…みた?」と小声で聞いてくる。
BLの本の事だ、と直感した俺は、即否定したが、「さっき置き方違うし…」と言って起き上がり、「…もう…あれほど触るな、って言ったじゃん…」とそっぽを向いてしまった。その顔は赤くなっているのが、顔を背けられてもわかった。
「ごめん…マンガがある、って思って、つい…見ちゃった…」
「気持ち悪い?こんなの見てるなんて…」
少し間をおいて「お前が好きなんだったら、別にいいじゃん。俺だってエロ本とか見る時あるし…」と、同調するように言った。
「…たい」優の言った言葉が聞き取れなかった。えっ?、と聞き返すと、
「…こういうの…したい…浩樹と…。い、いやかもしんないけど…」下を向いたまま、俺の腕に触れた。
俺はゆっくりと優を抱き寄せた。
これが俺の答えだった。そして2回目のキスをした。優も俺に手を回してきた。俺達は何度もキスをし、ベッドに移動した。
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