膝下まで下着をずり下ろしたまま便座に腰掛けた姿勢で凍りつくリコの隣の個室から、二人がガサゴソと激しく動く気配と衣服が立てる衣ずれの音が聞こえてくる。
「だめっ、聞こえちゃ…う…うう…んふっ」
マユミのヒソヒソ声が途中で口を塞がれたような吐息に変わる。
「んふっ…ん…ちゅくっ」
マユミの口を塞いだのはどうやら部長の口であることが、欲情の混ざった濡れた音でわかる。
自分の手で口を塞いだままのリコの脳裡に、部長とマユミが激しく口づけを交わす映像が浮かび上がる。
「マユミ?…え?…部長と?」
初めはあの男っ気のないマユミが部長に脅されるか何かで無理やりトイレに連れ込まれたのかとの正義感がリコの身体を凍りつかせたが、どうやらそれは大きな間違いのようだ。
「あふっ…ちゅぴっ…ぬちゅっ」
マユミから悦んで舌を絡ませているに違いない、今までマユミから聞いた事のない色っぽい吐息が何度も漏れている。
その間も衣ずれの音が続き、続いて部長がベルトを慌ただしく外す金属音が混ざる。
「カチャカチャ」
「あふ…ん、ああ…部長の…」
「そうだ…マユミはこれが好きだろう?」
違う!マユミが自ら部長のベルトを外し、部長のイチモツを取り出したのだ!
部長の前でマユミが恍惚とした顔でひざまずいている姿が目に浮かぶ。
「ちゅ…れろっ…ぴちゃっ…」
ああ…あのマユミが部長のものを丁寧に舐めている。
「あふっぐちゅっぐちゅっずちゅっ」
「ああ…いいぞ…マユミ…」
クラクラするようなやり取りに耳をそば立てているリコの隣で、二人が体勢を変える大きな気配と、仕切り板に両手をつく音がする。
ああ…今マユミがこの向こうで、こちら向きに手をついて立っている。
こちらに顔を向けて…お尻を部長に突き出すように…何ていやらしい姿…
「ああっ!…んんっ!んんっ!」
明らかに今までとは違う嬌声を発してマユミが自分の口を塞いだのが伝わる。
あ、マユミが…部長に…
あのおとなしくて地味なマユミが部長のものを受け入れて、女の悦びに聞いたことのないような淫らな声をあげている…
リコの混乱した頭の中で、蔑むような感情と嫉妬に似た感情が混ざり合いどろどろと音を立てはじめる。
「よしやさん…」
気がつくとリコは、よしやの名前を呼びながら、隣で進行する淫交に同期するように…自らの割れ目に指を走らせていた。
昨晩のよしやの舌使いを思い出し、クリトリスを優しく弾き…割れ目に指先を潜らせるたびに
「んっ!くっ!…いいっ!すごくいいっ!」
隣に気付かれないように…左手で口を塞ぎ、声を殺しながら…異常な状況に、今までとは違う淫らな感覚が全身を貫き、身体が熱くなっていく。
「ん…ん…あふっ…ひぃっ…んんっ!」
隣では今、部長が腰を振り、マユミを後ろから突き上げているのがマユミの声だけでわかる。
「ほらいくぞ、マユミ…」
部長がマユミに囁いた声が、リコの耳にはよしやの声に聞こえた。
「ほらいくぞ、リコ…」
つづく
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