裕樹の卒業式の日、午後から休みをとり公園の駐車場で待ち合わせた。
『家の人が来るんでしょ?』
『帰りはみんなと遊ぶからって言ってあるんだ。だから大丈夫だよ』
少し強引さが出てきた裕樹に押し切られた格好で車で待っていた。
暖かいという予報に胸元にフリルの薄いブラウスと一番短いミニ丈のスーツを選び、下着は新調した白く清潔なくせにハーフで乳房を露にするブラに紐のようなTバックを身に着ける。
『裕樹くん、期待してるのかな?今頃は自分で弄ってたり…』
そんな事を考えていた昨夜から妙な緊張感に包まれて良く眠れなかったため、暖かい日差しを浴びてウトウトしていた。
突然唇に何かが押し当てられ目を覚ます。
『ん!なに、』
ドアが開いて裕樹が笑っている。
『真由美さん、可愛い寝顔だね』
『あ、もう、ばか…いつ来たの?』
『二、三分前。でも鍵しないと危ないよ』
『まったく…そうね、起きててもロックするわ。また襲われるから』
とドアを閉めロックする。裕樹が外で泣きまねする中エンジンをかけ手を振る。
車の前に立ち両手を広げる裕樹に諦めた顔で手招きし助手席乗せた。
『卒業おめでとう。取り敢えず大人の仮免許だね。』
『うん、ありがとう。でも仮免許?』
『そう。今はまだ少し大人。二十歳で免許皆伝かな』
『まぁそうだね。未成年とか学生のくせにとか言うもんね。身体はデカいんだけどまだまだだよね』
『でも裕くんは賢いから大人かもね。』
『じゃあ大人の付き合いできるかな?』
『大人の付き合い?例えばどんな?』
『う~ん…街中で腕組んで歩いたり、夜も時間気にしないでデートするとか…』
『そうね、それは構わないかな。あとは?』
『あとは…なんだろ?大人の付き合いって何してるの?酒飲んで騒いだり?』
『お酒はまだだめ。あくまでも私は飲ませないよ。』
『酒は苦手だなぁ。酔っ払いとかうるさいしあまり興味ない』
『じゃあ堂々とデートするだけね』
と裕樹の顔を見ると少し口を尖らせる。
『どうしたの?物足りない?』
『…って』
『なぁに?何かしたい事…あるなら言ってごらん』
自分が期待しているくせに若い子にそれを言わせたかった。女が誘うのではなく、男が言うべきとも思っている。
『あの…この前の…卒業したら、その…』
証書の筒をギュッと握り裕樹がこちらに向き直った。
『セックスしたいです。真由美さんとしたい!』
そう言って俯く裕樹に胸が熱くなり彼の頭を胸に抱いた。
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