それからしばらくしてN県を中心に連続無差別暴行事件が起こった。これには狗道家と西嶋家が対処し、ついには政府とも協力することになった。
そして事件の本当の犯人も見つかった。そいつらは小さく、見つけにくい存在だった。
魔蛇の復活の際に生じる人間の感情、精神を暴走させる毒の瘴気を持った蟲。その蟲達が事件を起こさせていた真犯人だった。
その蟲は青と黒の体色、髑髏のような顔に赤い複眼を持った禍々しいイナゴのような姿をしていた。
以下、青いイナゴ、またはイナゴと略称する。
青いイナゴはどういう理屈か、人間の深層心理の匂いを嗅ぎつけ、その人間の精神を増幅化。とくに負の感情がイナゴ達にとって極上の餌だった。
負の感情を持つ人間をイナゴが見つけると、サソリやハチが毒を刺すように邪悪の種と呼ばれる魔蛇の毒を植え付けるのだ。
毒を植え付けられた人間は暴走し、犯罪行為を終えると自身の肉体が傷つくまで暴れ続け、やがては消滅してしまう。
※元投稿はこちら >>