俺はその場から逃げ出した。おじの家に帰っても頭と心の中にいつまでもいつまでも白い肌が焼き付いていて、どうしようもない感情が身体を動かしていた・・・・・
そして翌日・・・
俺は言いしれない感情と見てはいけないものを見た罪悪感からミカさんに会う事もなく逃げるように帰った。
いや逃げたんだ。何もかも怖くて・・・・
俺は10年ぶりにここに来たことで改めてその出来事を生々しく思い出していた。
しかし、ミーンミーンというセミの鳴き声が俺を現実に戻した。
「ミカさん、ごめんね。おばさんのお葬式にも来られずに・・・・」
「ううん、いいのよ。お墓参りに来てくれただけでも嬉しいわ。お線香上げてあげてね」
「うん・・・」
田舎の古いアスファルトを歩きながら、ミカさんは10年前と変わらぬ笑顔で俺を向かえてくれた。
周囲に緑が広がるお寺に俺とミカさんは向かった。そこにおじ夫婦の墓があるのだ。
俺は線香をあげ、お供えに好物だったおはぎをあげた。
俺はミカさんと彼女が住む家に向かっていた。ここではそこが俺の滞在する場所となっていた。俺にとってはもうひとつの実家だ。
「これであの家もミカさん一人だけだね」
「うん・・・」
「一人で住むに・・・・・・ちょっと広い?」
「んー・・」
「そうねェ・・・・・どうしようかな」
そんな会話をしながら帰路についた。
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