そこでは大小の白い雲が移動する青空が広がっていた。その下には青々とした緑が広がり、懐かしい雰囲気がある田舎の村があった。
季節は夏。ミーンミーンと言うセミの鳴き声が響き、透明度が高い清流には川のせせらぎが静かに聞こえていた。
日本に数少なく残された田舎の風景にはしゃぎまわる二人がいた。その二人は少年と少女だった。
少年のほうは裕、少女のほうはミカ。裕は11歳の小学生で、ミカは10代後半の女子高生だ。
二人は蝉取りやカブトムシ狩り、清流での水遊びを楽しんでいた。
楽しい時間は長いようであっという間だった。裕はおじの家が田舎に一人で泊りに来ていた。それが毎年の恒例だ。
しかしその夜、裕を変える衝撃的な出来事があった。
その夜、裕は一人で飲み物を買いに出かけた。そこを通るには神社の近くを通る必要があった。
その神社に裕が近づいた時、誰かの声が境内から聞こえた。それは聞き覚えがある声だった。
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