この特殊能力は超能力であると同時にある種の呪術だった。その術とは生物の集合的無意識、心象風景から作り出した空間、領域を作り出すもので鎧の戦士達が所属する各組織は少年をここに閉じ込めて魔蛇の異形のイナゴに盛られた毒を浄化する作戦を立てた。
毒の浄化をする役目は少年を想う女の戦士が志願した。女の戦士、いやまだ少女でしかない彼女は強い覚悟で浄化の任務を願い出た。
各組織と彼女の両親は彼女の覚悟に負け、これを承諾した。
さっそく作戦は行われ、漆黒の鎧の戦士の周囲を鎧の戦士達が囲った。空間を作る術の役目、少年の戦士への変身を解除する役目は、少年と厚い友情と絆を持つ戦友に任された。
作戦の前日、彼女は両親と術を行使する少年の友人にこう警告を受けていた。
「心象風景から作り出された空間は二人の知っているようで知らない世界になっている他、時間の流れも現実世界と異なり、2人の顔も名前も性格も変わっている可能性がある。魔蛇の毒も彼に憑りついた上に最後の抵抗として何を生み出しているかわからない。それでも行くか?」
彼女は迷うことなく答えた。
「行きます。必ず彼と帰ってきます。帰ってみんなに謝って、ぶつかりあって、この世界の道をまた歩かせます」
彼女は少年のために道があるかもわからない世界を歩く決意を改めた。
そして現在、少年は友人である赤と黄色の鎧の騎士によって変身を解除させられ、蒼と白銀の鎧武者が作り出した空間に閉じ込めることに成功した。そして彼女もまた戦士の姿でその空間に飛び込んだ。
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