「ミカさん・・・・!」
「だっておかしいもの。あの夜の翌日、急に帰ったと思ったら・・・それっきり10年だよ・・・?」
「あの時は裕也くんに愛されたくて必死だったわ。でも・・・気づけば周りは変わっていって友達はみな、いつの間にか村を離れ、裕也くんも自分の居場所を見つけて戻っていったわ」
ミカさんはこの田舎でかつてあった、俺のいない時間と思い出を語った。俺の知らない彼女の友人、一度しか見てない彼女の彼氏・・・
「裕くんも大きくなって・・・逞しくなって・・・」
ミカさんを満月がある夜空を見上げた。
「変われないのは私だけ・・・・・」
ミカさんに目に涙を浮かべていた。
「気持ちを引きずったまま・・・・村を出る事さえできない・・・・なにも・・・・変われないの・・・・」
俺は胸を張ってそんな彼女に・・・・・
「でも・・・変わらず良いモノだってあるじゃん」
「え・・・・・」
俺は・・・もう子供のままじゃない。
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