その夜、俺はあの夜の事を思い出していた。裸で絡み合う兄と義姉の行為や義姉の裸体の肢体が思い浮かび、おざましさやら何やらで俺はなかなか眠れず、そのまま朝を迎えた。
その日の朝、俺は引っ越した。義姉はついてきて荷ほどきの手伝いをしてくれた。
俺は和室があるワンルームに住むことになった。
家賃の割に広々としたワンルームで義姉と2人で黙々と作業を始めた。
「休憩しようか……」
義姉がそう言ってきた。
しばらくして義姉は俺の隣に並び座った。
「…義兄さんとはね…」
そんなことを言ってきた。
俺はまたモヤモヤ思い浮かび、
「もう…いいよ…」
と即座に話を遮った。
それから暫しの沈黙の後。
「…寂しくなるね…」
俯きながらそう呟いた義姉に俺は抱きつき、思わず畳に押し倒した。
「キャッ!…」
小さく叫んだ義姉は倒れ込んだ。それっきり何も言わず、全く抵抗するような気配がない義姉…。
だけど俺は我に返り、義姉を離して座り直した。それに次いで義姉も起きて立ち上がった。
義姉はそのまま何も言わず、足早に部屋を飛び出していった。
何と言うか、自分に対する嫌悪、罪悪感、虚無感といった表現しづらい気分になった。
しかも義姉の身体に興奮する自分もいた。当然、脳裏にはあの夜の裸の義姉…。
それから一人。何もする気が出ず、茫然と数時間、日が暮れた頃。
両親の家に帰ったと思った義姉が再びやってきた。
「お腹すいてるでしょ?…今日、泊まっていくから…」
そう言った義姉の手にはコンビニ弁当と自身の着替えが入った物を手に持っていた。
今までとさきほどの事もあり、何のつもりがあるのか、義姉の模索して俺は戸惑った。
それから何事もなかったように普段通り他愛もない話をする義姉に俺は相槌しか打てなかった。
荷物を片付け、一緒に食事して交互に入浴‥‥。
それから深夜を迎えた。
和室には無造作に敷かれた一組の布団。布団の傍ら、会話もなく、部屋にはエアコンとTVの音だけが響いていた。
言い忘れていたが、季節は夏である。
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