俺はその呻き声の正体が気になり、襖をわずかに開けた。
わずかに開けて生じた隙間から俺は部屋を覗いた。
兄と義姉は裸で肢体を絡ませていた。2人が絡み合う布団の周囲の畳には無造作に脱ぎ捨てられたパジャマや下着があった。
覗くべきではないものを覗いた。その時の光景は凄まじかった。
幼心に何も分からず、怖くて、尋ねる事も俺は出来なかった・・・
成長するに連れ、独り部屋になり、俺が兄と義姉がしていた事が男と女の何なのか理解できる年頃になっても、俺に気が付かれぬよう、こっそり続いていたであろう兄と義姉の行為・・・
あの日以降、確認もせず、確認したくもなく、何事もないように俺達に普通に暮らしてきた。
そんな折、俺が高校2年の夏に兄は他界した。死因は謎の化け物に襲われたことだった。遺体はなく、その場で消滅したそうだ。
義姉はその時、大学生だったが、社会人も兼ねていて共に10数年ぶりに両親のところに戻った。
俺自身は就職も決まり、働きながら大学生活を送ることを決め、高校卒業と同時に独り暮らしも決意した。
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