オヌマは虚像のカクリヨから現れては人間に大小の悪さをしていた。場合によっては人の命を奪い、災いをもたらし兼ねなかった。
だからこそ私は孤独に戦えた。どれだけ何をやっても感謝も称賛もないが、私はそんなもののために戦っているわけではない。
こいつらオヌマが気に食わずムカつくから戦っているのだ。安い考えと貧しい哀れな心を持つ勘違い野郎と断じて一緒にしないでほしい。
さらにこいつらは善悪のどちらでもない幽霊や妖怪達も毒気を浴びせるなど人外の存在にも悪影響を与えていた。
オヌマの吐く黒い毒気を浴びすぎれば彼らもオヌマにされてしまう。だが短時間の間に戦えば何とか元に戻せるのだ。
奴らは人間のマイナスエネルギーを好んで餌にしていた。よほど美味なのだろう。喰えば喰うほど奴らの力は増していった。
私はすべての人間をオヌマからは守れなかった。それでも私は善良の幽霊や妖怪の助けもあって今日まで挫けず、戦ってきた。
そんなある日、私は男の生まれ変わりと出会った。彼はこの世界で狗道一朗太と名乗っていた。
偶然か運命か、私は彼との再会が果たせた。彼は私がいるこの田舎の清流に遊びに来ていた。はしゃぎすぎた彼は滝壺の深い方まで来て溺れかけた。私は久しぶりに実体を持って彼を助けた。
恥ずかしいことに私は彼に裸の私を見せてしまった。無我夢中で服も実体化させる事を忘れてしまったのだ。
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