これを見ている者は誰かな? とりあえず誰でもいい。非常に恥ずかしい話とこの世界の秘密について記す。
俺は狗道一郎太。いや、より厳密にはそう名乗っている者の中にいるどこかの誰かだ。一応、一朗太と名乗っておく。
俺は幼い頃から妄想とも自分じゃない誰かの記憶ともつかない夢に悩まされていた。周囲にも相談してみたが、何かの物語の影響か、さもなくば前世の記憶ではないかと返された。俺としては正直、そのどちらでもあると思う。
一番最初に見る夢では俺は赤い鎧の戦士として戦っていた。顔も何かの仮面で覆われている感じがした。目覚めてもはっきり覚えているなどそれほどリアルなのだ。夢の中で俺は白い空間にいる黒い怪物の群れと戦っていた。白い空間は世界のどこともつかぬ場所だった。
そこで戦っているのは俺一人だけではない。紫と金の槍を持った鎧の女の戦士もいた。彼女はどうやら俺と深い仲にあるらしい。
俺と彼女は手を合わせて黄金のリンゴとも言える果実を生み出した。その果実の眩い光がすべてを包み込んだ。
夢はそこで途切れる事が多かった。しかし、しばらくするとまた違う夢を見た。
俺はどこかの田舎道を歩いていた。田園風景が広がる一本道。季節は夏。どこか懐かしい気分になった。
しばらく歩くと深い森に来た。近くには神社もあった。夢の中の俺は子供だった。いやより正確には俺の幼少の頃の記憶だ。
両親から後から聞いたが、俺はある田舎の水辺で溺れたらしい。しかし、その時に助けてくれた女性がいたそうだ。
俺は深い緑の森の奥へ行くと滝壺から流れる清流と見つけた。俺はそこで素っ裸で川に潜り、泳いだ。裸の身体に纏う冷水が気持ちいい。
俺はふと滝壺に向かった。しかし、俺は誤って底が深い方へ入ってしまった。溺れる!このままじゃ・・・両親の事や小学校のみんな、そしてあの戦いの記憶。口からごぼごぼと空気の泡が逃げていく。もうダメだ。意識が薄れ、そう思った時だった。
ザッパーン! 水の中にいる俺の耳にそんな音が聞こえた。何かの生き物が俺を狙ってきたのか? そう思っても俺には逃げる気力がなかった。
それは確かに俺を狙ってきたのは確かだった。でもそれを見た時の記憶ははっきり覚えている。なぜならあれほど美しいものは見たかったなかったから。それは女だった。黒い髪の10代のくらいの少女だ。しかし、体つきが素晴らしかった。少女は裸だった。
長い黒髪を揺らし、両手で水を掻き、足をバタつかせながら彼女は俺に向かってきた。水の中で少しぼやけているが顔はかなりの美人だ。
胸はかなり大きい。白い肌に長い四肢、無駄な肉がない括れた腰、綺麗なおへそ、そして股間で揺れる黒い海藻・・・
短い人生でこんなの見れるなんてラッキー・・・などと本気で思っていた。そんな事を考えていた一瞬、口に何かの感触を感じた。
少女が俺の口に自身の口を押し当ててきたのだ。俺は少女によって太陽の光が照らす水上に浮上させられた。
「ぷはあっ!」 そんな声を聞いた。
少女は俺を近くの岩場に乗せた。俺は人工呼吸を受け、水を咳込みながら吐いた。再び少女の、いやお姉さんの口が俺の口を塞ぐ。
「もう・・・ダメじゃない。無理しちゃ・・」
心配そうに俺に話しかけるお姉さん。水滴を垂らすずぶ濡れの白い肢体は今でも覚えている。その時に見た胸もお腹も股間も。
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