いよいよ卒業が間近に迫った3月の金曜日、いつもの様に2人で下校した。「麻耶はいつ寮に入るの?」「4月の頭からだけど…でも今月の終わりには、荷物を持って寮に行かないとだから…30日でお別れだね…」少し寂しそうに言った。「3年間楽しかったなぁ」「…うんそうだね…ずっと同じクラスだったね」「あれは俺が麻耶と同じクラスになる様に、先生に幻術かけたからだよ」「やっぱり…」「ずっと一緒にいたかっし」「うん…私も一緒にいたかった」そう言うと麻耶は握った手を力強くギュッとした。俺はずっと好きでいられる幻術を掛け様と思えば掛けれたがそれはしなかった。それをしてしまったら麻耶が麻耶で無くなってしまうと思ったからだ。…麻耶はその事に気がついていたが、お互いその事には触れなかった。…「麻耶…今夜家に来る?」「どうして?」「今日誰も居ないんだ…」「…しょうがないなぁ…そんなに寂しいの?…寂しがり屋なんだからぁ」と笑って言った。「そう…俺は寂しがり屋なのだ」「アハハ…ウケる」2人で笑った。
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