それからマリナは時折教室にやって来るようになった。
純也が目的なのは明らかで、それを快く思わない女子もいたが表立って不満を口にするものはいなかった。
なにせ相手はカーストトップクラスの美少女だ。
「広田くん、一緒に帰ろう?」
「おう、今行くよ、、、」
当たり前のように二人が出て行く。
「気になる?」
玲奈に声をかけられ香織がビクリと反応する。
「何のこと?」
「トボケちゃって、、、わたしは気になるよ、、、」
「えっ?」
それって、、、
「思ってたよりライバル多いかもね?」
ライバル、、、
まさか玲奈も、、、
香織はいつものクールな玲奈の横顔を見つめた。
体育祭が近づいてきた。
玲奈は借り物競争と男女混合の800Mリレーに出場する。
香織は男女二人三脚。
その相手は純也だ。
純也は玲奈と同じリレーにも出る。
ちなみに陸上部は裏方にまわり競技に参加は出来ない。
「チャンスだね?」
玲奈が声をかけてくる。
「えっ、、、何が?」
「分かってるくせに、、、二人三脚、、、」
ドキッとする。
「チャンスって、、、意味分かんないんだけど、、、」
「そう?じゃあ、わたしと変わってよ?」
「それは、、、」
「いいでしょう?」
「ダメだよ、、、クラスで決まったことだし、、、そんなことしたら、わたしが避けてるみたいに思われるじゃん、、、」
「まあ、普通そうなるよね、、、やっぱり彼にそう思われるのが香織は嫌なんだ?」
まるで心を見透かしたように言ってくる。
「それはそうだよ、、、」
「ふ〜ん、、、少しは素直になったみたいだね、、、広田くんと二人三脚の練習、しておいた方がいいんじゃないの?わたしは彼とリレーの練習するし、、、」
そう言い残し玲奈はその場を離れて行った。
帰り道、友人達と歩いていると少し先を純也とマリナが歩いているのが見えた。
愉しそうにマリナが話しかけ純也もにこやかに応えている。
胸が締め付けられる。
このままだったら、、、
ずっとステキだなと思っていた、、、
雫と付き合っていた純也をわたしもこんな彼氏がいたらいいのにという思いで見つめていた。
背が高くてイケメンて頭も良い。
それをひとつも鼻にかけないし凄く優しい。
しかし純也は親友の幼馴染でしかも恋人、、、
ただ二人の幸せを願って応援もしていた、、、
それなのに雫は自らの愚かな行為で彼を傷つけ手放した。
もう二度とその関係は戻ることは無い。
それだったら、わたしだって、、、
純也が他の女子と仲良くなっていくのを黙って見てるなんて嫌だ、、、
「ちょっとゴメンね、、、用事があるから先に行ってて、、、」
純也を追いかけ勇気をだして声をかけた。
「広田くん、話があるんだけど、いいかな?」
「立花さん、、、どうしたの?」
少し驚いたようだけど優しく微笑んでくれる。
それだけなのに胸がときめく。
「泉さん、、、話してるところをゴメンね、、、」
一瞬だけ睨むような視線を感じたが、すぐに微笑みが浮かぶ。
「ううん、全然構わないよ、、、」
「広田くんと今度の体育祭の練習したいと思うんだけど、、、ダメかな?」
さり気なく告げるが心の中では断らないでと強く願う。
「構わないよ、、、俺も立花さんを練習に誘おうと思ってたんだ、、、」
純也らしい思い遣りのある返事に胸が熱くなり心の奥でガッツポーズをする。
「良かった、、、じゃあ、今度連絡してもいい?」
「もちろん、待ってるよ、、、」
優しく見つめられ胸がときめく。
マリナに軽く頭をさげ足早にその場を離れる。
二人で逢える、、、
悦びが込み上げる、、、
でも、、、やっぱりマリナは凄くキレイで可愛い。
性格だって悪く無い、、、
わたし、、、完全に負けてる、、、
勝てるとしたらオッパイだけ、、、
その胸だって、、、
マリナもかなり、、、
けれどこのまま何もしないでいたら本当にただ負けるだけ、、、
そんなのは絶対にイヤだ、、、
香織は決意を胸に秘め家路についた。
つづく
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