「もうしない、ちゃんと別れるから、、、」
どう考えても口先だけにしか思えない。
「広田くんのことは諦めなさい、、、」
「えっ、、、何言ってるの?そんなのイヤだよ、、、」
「今のアナタを広田くんは絶対に赦さないと思う、、、」
「そんなことない、、、ずっと一緒だったんだよ、、、わたしと純くんは幼馴染で、、、」
香織は寂しそうな顔をして雫を見た。
「幼馴染だから恋人になったんじゃないよ、、、幼馴染のあなたをしんじていたから、、、雫はそれを裏切った、、、」
「違う!違う、違う、違う、、、わたし絶対に諦めない!」
雫は部屋を飛び出した。
香織は深い溜息をついた。
ある日の放課後。
香織が帰る準備をしていると雫が固い表情で近づいてくるのに気がついた。
香織の席は純也の斜め後ろ。
あの一件以来、雫と話すことはなく気まずい雰囲気が続いている。
「あの、、、純くん、、、」
蚊の鳴く様な声をかけたところを遮るように3人の女子生徒が割り込んできた。
「広田くん、これから用事ある?」
まるで雫など眼中に無いかのように泉マリナが話しかけてくる。
隣のクラスの子で他の二人もそうだ。
少し大人びた美少女でスタイルも良く色気がある。
香織ほどでは無いが制服の上からでも分かるほど胸はかなりのもので男子にも人気がある。
どうやら純也とは顔見知りのようだ。
「別に無いよ、、、」
「それだったら、一緒にカラオケに行かない?」
「そうだな、、、うん、久しぶりに行こうかな、、、」
「ヤッター!じゃあ広田くん行こうよ、、」
「マリナ、良かったね?」
「わたし達、邪魔だったりして?」
他の二人が茶化してくる。
「もう、二人とも黙ってて、、、」
「顔、アカ〜」
「なって無い!」
「バレバレ、、、」
「やめて〜」
和やかに四人は教室を出て行った。
まあ、、、こうなるよね、、、
純也と雫が別れた噂は日に日に広まっている。
これからはマリナのように堂々と純也にアプローチをかける女子も増えるはずだ。
雫は立ち尽くしたままだった。
完全に無視され純也の後ろ姿を悔しそうに見つめていた。
そして香織を睨むように一別して席へと戻って行った。
「こじれてるね、、、雫、、、」
「玲奈、、、見てたんだ?」
いつものように整った美貌に感情を面に出すこと無く玲奈が横に立っていた。
「まあね、、、」
「雫、本当にどうかしてる、、、まだ何とかなると思ってる、、、」
「何を言ってもムダだと思うよ、、、」
「そう、、、だね、、、」
「けど、、、泉さんか、、、彼女、本気みたいだし、、、う〜ん、強敵だな、、、広田くん、どうするのかな?」
強敵?
雫の?
「どうするって、、、わたし達には関係無いことでしょう?」
「本当に?」
「本当にも何も、、、彼は雫と付き合ってた、、、それだけでしょう?」
「そっか、、、それならいいけど、、、わたし、塾があるから帰るね、、、」
「うん、また明日、、、」
ひとりで急いで教室を出る玲奈を見送り友人達と話しながら歩き始める。
いつの間にか雫はいなくなっていた。
玲奈も言ってたけど、、、
純也はマリナと付き合うことになるのだろうか?
マリナはグイグイくるタイプに見えるし、、、
雫には悪いが(?)純也にはマリナの方がずっとお似合いのような気がする。
流されたりしないで、自分があって、、、
なんだか胸がモヤモヤする。
関係無いはずなのに、、、
友達の話が頭に入ってこない。
おしゃべり好きの香織がほとんど口を開かなかった。
つづく
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