「ゆみちゃん…?」
振り返るとケンジくんが!
「あ、ケンジくん!
ケンジくんもここでランチしてしたの?」
「うん、ここのランチ美味いんだ」
偶然会えた事に2人で微笑み合う私達。
その様子をじーっと見ている森本さん。
「あ、森本さんすいません
こちらは私がお世話になっている家の息子さんで…」
「ケンジです」
「森本です」
「森本さんは私と一緒に本社から来た先輩なの」
「じゃあ森本さんも東京っすか」
「えぇ、1年経ったら僕達は一緒に東京に戻ります」
「…そうですか。ではまた。」
ケンジくん、何か怒ってる?
森本さんと話す表情は私の見た事のないケンジくんでした。
「俺達も出るぞ、今日は仕事が山積みで
残業覚悟しておけよ」
「は、はいっ!」
そして案の定残業になり、
私達以外の社員は1人、また1人と帰宅して
森本さんと私の2人だけになりました。
「ゆみちゃん、一休みしないか?」
と、森本さんが同じビルにあるカフェで
コーヒーとサンドイッチを買ってきてくれました。
「わぁ!美味しそう!ありがとうございます」
「クッキーもあるぞ」
「何ですか森本さん!神ですか!」
サンドイッチを頬張り
「沁みるーーーー」
と幸せいっぱいの顔で食べている私を
森本さんはただ微笑んで見ていました。
「そう言えば…ランチで会った彼…」
「ケンジくんですか?」
「ゆみちゃんの彼氏なの?」
「いやっ、えっと、
お世話になってる家の息子さんで…」
「彼氏なの?」
「…はい…」
一瞬森本さんの舌打ちが聞こえた気がしました。
普段は何を考えているのか分からない森本さんが
怒っているように見えて…
こう言う人が感情を見せると妙に怖い…
「どうせ1年経てば俺達東京だろ?
結局別れる男と何で付き合ってるの?」
「結局別れるかなんて、そんなの分かりませんよね?」
…暫くの沈黙…
「ごめん、そうだよな。
今日はもう帰っていいぞ。
遅いから駅まで送るから。」
駅まで別に遠くないから大丈夫ですと
言いたいところでしたが、
何となく言ってはいけない気がして
「ありがとうございます」
と素直に送って貰いました。
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