「――っ、く、……あぁっ」
僕の先端が、千晶の最も狭い入り口を押し広げるようにして、ゆっくりと進んでいく。
教科書の断面図にあった結合のイラストなんて、あまりの現実味の無さに笑えてくるほどだった。そこは驚くほどきつく、熱く、まるで生き物のように僕の塊を締め付けてくる。
「あ、……待って、痛い、……動かないで、……っ」
千晶が顔を真っ歪め、僕の背中に回した両腕にぎゅっと力を込めた。彼女の長い睫毛には、再び痛みに耐えるような涙が滲んでいる。
「千晶、大丈夫……? つらい?」
「つらく、ない……。でも、すごいの、……あんたが、私の中に、いる……」
僕の動きを止めたまま、お互いの結合部から伝わってくる熱にじっと耐える。
密着した下腹部からは、お互いの体液が混ざり合った「クチュ……」という重い音が、薄暗い部屋の中に響いていた。教科書には『膣の伸縮性により――』と書かれていたけれど、今、千晶の身体は僕のすべてを飲み込もうとするみたいに、内側からドクドクと拍動を繰り返している。
「……もう、動いても、いい……?」
「……うん、優しく、ね……っ」
千晶の許しを得て、僕はゆっくりと、腰を前後に引き始めた。
「ひ、あ……っ、ん、んぅ……!」
一たび動き出すと、衣服越しに指で触れられていた時とは全く違う、圧倒的な質量と摩擦の快感が二人を襲った。
中を抉るように進むたび、千晶の身体が実験机の上で小さく揺れ、彼女の口から形にならない甘い悲鳴が次々と溢れ出る。
「すごい、きつい、……千晶の中、あったかくて、どうにかなりそう……」
「言わない、で……っ、あ、あぁっ! そこ、変なとこ、当たってる……っ!」
彼女の一番敏感な場所に僕の固さが擦れるたび、千晶の腰がビクッと跳ね上がる。
濡れた内壁が僕をきつく締め付け、その摩擦の熱が、僕の理性を完全に消し飛ばしていった。
もう、優しくなんてしていられなかった。
僕は千晶の細い太ももを両手で強く掴んで開き、さらに深く、激しく腰を打ち付け始めた。
「あ、あっ、激しい、……それ、だめ、頭、真っ白になっちゃう……ぅ、あ!」
「千晶、千晶……っ」
パチパチと、お互いの肌と肌が激しくぶつかる淫らな音が、静かな地学準備室を支配していく。
教科書の最後のページ。生命の誕生、生殖の仕組み。そんなものはもうどうでもよかった。今、この暗闇の中で、お互いの身体を限界まで貪り合い、一つになっているという圧倒的な快楽だけが、僕たちの世界のすべてだった。
「ひあ、ぁっ、……んん、もう、息、できない……っ!」
実験机の冷たい天板の上で、千晶は完全に波に呑まれたように首を左右に振っていた。
激しく突き上げられる衝撃のたびに、彼女の豊かな胸の膨らみが大きく揺れ、その先端が夕闇の中で擦れて赤くなっているのが見える。
教科書には『射精に至るまでの周期的な運動』としか書かれていなかった、この激しい往復。
けれど、一回ごとに千晶の奥深くを抉り、彼女の最も柔らかい粘膜と僕のすべてが ヌルリ と激しく擦れ合うたび、お互いの体温は上昇を続け、限界などとうに超えていた。
「千晶、もう、止まんない……っ、すごい、きつい……っ!」
「あ、あぁっ! いいよ、もっと、……壊れるくらい、おねがい、……っ!」
千晶が僕の背中に回した足にぎゅっと力を込め、僕の腰をさらに自分の奥へと引き寄せる。
その貪欲な誘いに応じるように、僕はさらに速度を上げ、容赦なく彼女の最奥へと腰を叩きつけた。
クチュクチュと、部屋中に響き渡る結合の音はもう、二人の荒い呼吸にかき消されそうだった。
千晶の膣内は、僕を締め付けるたびに熱い蜜を絞り出すように溢れさせ、僕の塊を極限まで締め付け、追い詰めていく。
「あ、いく、……私、またいっちゃう、……あぁーっ!」
千晶の身体がビクビクと激しく硬直した。
内側の肉壁が、これまでにないほど狂おしい力で、僕の全てを締め付ける。そのあまりの快感の強さに、僕の限界も一瞬で弾け飛んだ。
「千晶、……出る、っ、出すよ……!」
「なかに、だして、……あんたの、全部、ちょーだい……っ!」
千晶が叫ぶのと同時に、僕は彼女の奥底へ、ありったけの力で腰を押し付けた。
ドクン、ドクンと、僕のそこが千晶の最奥で激しく脈打つ。
次の瞬間、教科書の解説にあった『精液の放出』が、猛烈な熱量を持った文字通りの『衝動』となって、彼女の胎内へと勢いよく迸った。
「――ッ、……あ、はぁぁっ!」
ドクドクと何度も、千晶の最も深い場所に、僕の熱い種が直接注ぎ込まれていく。
千晶は僕の首にしがみついたまま、その内側で僕のすべてを受け止め、お互いの絶頂が重なり合う中で、何度も、何度も、小さく腰を震わせ続けた。
やがて、部屋の静寂の中に、二人の途切れ途切れの、激しい呼吸の音だけが残された。
完全に重なり合ったまま、僕たちはしばらく動けなかった。
地学準備室の窓の外は、もうすっかり夜の帳が下りている。
教科書のモノクロの図解では、決して知り得なかったこと。
それは、こうしてお互いのすべてを注ぎ込んだ後に訪れる、この切ないほどの愛おしさと、お互いの肌から伝わる、世界で一番優しい、本物の体温の温もりだった。
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