大樹は社長室で父親の優一と会っていた。
大事な資料は口実だった。
「それで、、証拠は大丈夫だな?」
「うん、、、確実なのが今撮れてるはずだよ、、、」
「そうか、、、今度の日曜日、決着を着ける、、、それでいいな?」
「俺が望んだことだから、、、」
仕事には厳しく冷酷な面がある父だが家族にはいつも愛情を注いでくれる。
特に自分の面影を強く残す大樹を面には出さないが溺愛していた。
身体付きも、まだ幼さを残す童顔だが自分に良く似たイケメンだと思う。
学業も優秀、生真面目で人に優しく何事にも逃げたりしないから人望もあると聞く。
その上、県内一の進学校の生徒会副会長だ。
自慢の息子といっていい。
「優しくて思い遣りのあるのは、お前の美徳だと思う、、、でもやるときは同情などせずに徹底的にやる、、、そうじゃなくては守るべきものは守れない、、、そういうものだ、、、」
諭すように告げる瞳には息子への深い愛情が込められていた。
「はい、父さん、、ありがとう、、、」
「気にするな、、、お前は大切な息子だ、、、それから、このことはまだ母さんには話して無い、、、真理は大樹のことになると人が変わるからな、、、」
「分かった、、、それじゃ家に戻るよ、、、」
「気をつけてな、、、」
大樹は会社を出て建物を見上げた。
20のフロアーからなる自社ビル。
いずれは自分が引き継ぐ、、、
他県に何か所も支社がある。
家に戻るといぶき一人が待っていた。
「横川は?」
「用事があるって、さっき帰ったよ、、、」
クズ男もさすがに気がひけたか、、、
「そんなことより、、、大くん、、、わたし寂しかったんだからね、、、」
いぶきがしなだれかかってくる。
潤んだ瞳で見つめ薄く開いた唇から舌先がのぞく、、、
誘ってる、、、
どういうつもりだ、、、
さっきまでヤツと、、、
ムカムカする、、、
気持ちが悪い、、、
いぶきのカラダを遠ざける。
「ゴメン、、、ちょっと寒気がするんだ、、、」
「そう、、なんだ、、、」
「風邪かも知れない、、、悪いけど帰ってくれないか、、、」
「えっ、、、わたし看病するよ、大くんのそばにいたいよ、、、」
「いいや、うつしたら大変だから、、、とにかく帰ってくれ、、、」
沈黙が流れる、、、
今はとにかくこのオンナといたくない、、、
「分かった、、、大くん、お大事にね、、、」
「ああ、、、」
いぶきは家を出た。
見送りもしてくれなかった、、、
そういえば最近デートもしていない、、、
公平に夢中になってキスもしてないし、、、
二人だけで過ごすこともほとんど無くなってる。
小さい頃から大樹が好きだった。
優しくて、どんなときもわたしを守ってくれた。
大樹は昔から頭が良くて、運動も出来て、、、
背が高くなって、どんどんカッコ良くイケメンになって、、、
いろんな女の子に告られるようになった。
他の子に取られるのが怖くて中学を卒業したとき思い切って告白した。
大樹はそれを受け入れてくれて二人の交際をスタートした。
同じ高校に入学して初めてのキスをした。
幼いころからセックスに興味が強かったいぶきは次へ進むことを期待していた。
しかし大樹はそれ以上のことを求めてこなかった。
そんなおり不満を覚えていたいぶきは部員の横川からアプローチを受けるようになった。
横川はしきりにいぶきを可愛い、キレイだと褒めそやした。
二人きりで逢うようになりキスを交わす関係になった。
そして秘密にする条件でカラダを許してしまった。
処女だったいぶきは経験豊富な横川のセックスに夢中になった。
横川との関係に溺れていった。
いけないことをしているという罪悪感もバレるはずが無いという思いに押し流されるようになっていた。
そうよ気にすることなんてない、、、
大丈夫、大樹はわたしに風邪をうつしたくない、、、
それだけ、、、
土曜日、部活を終え、いぶきは待ち合わせの場所へと向った。
二人で揃って帰るわけにはいかない、、、
さり気なく公平と行き合い駅の裏口へと向かう。
しばらく歩くとラブホ街だ。
手を繋ぎ熱く瞳を交わして、そのひとつに入った。
部屋に入るなり激しく唇を貪り合う。
「砂生とヤツたのか?」
「まだシテないよ、、、」
「本当だろうな?」
可愛い、、、妬いてる、、、
「本当だよ、、、公平と凄くシタかった、、、」
「俺もだ、、、」
明日、大樹の家で両家の家族が逢うことになってる、、、
ひょっとしたら、、、
婚約を早めよう、、、
そんな話が出るかも知れない。
心が弾む、、、
もしそうだったら、、、
皆に自慢して、、、
フフッ、羨ましがられるだろうな、、、
大樹に近づこうとする虫もいなくなる。
公平を誘い二人でシャワーを浴びる。
互いに手のひらで洗い合う。
明日、話がすんだら大樹とデートしよう、、、
そして、、、結ばれよう、、、
大樹の童貞を奪える、、、
カラダの奥がジーンと疼く。
公平の性器を握る、、、
ああっ、、、凄くビンビン、、、
大樹のも、、、
どんな感じかな、、、
公平より大きいのかな?
それだったら、、、いいな、、、
わたし、、、メチャクチャ濡れてる、、、
「公平、今日はイッパイ抱いて、、、明日、大くんとスルから、、、思い切りイキたい!」
「くそっ、あんなヘナチョコ野郎のチ○ポじゃイケるわけないからな、、、俺が死ぬほどイカせてやる!」
二人は激しく貪り合った。
その日の夜。
明日はいよいよ片がつく。
考えているとスマホがなった。
生徒会長の高倉奈緒からだ。
「こんな時間にゴメンなさい、今、大丈夫だった?」
「いや、、、ちょっと、、、」
真面目な奈緒を少しからかってやろう、、、
「えっ、、、じゃあ、かけ直した方がいい?」
「いや、、、ガマンするから、、、」
「ガマン?」
「自分で、、、シテたんだ、、、」
「えっ?あっ、、、」
すぐに思い当たったようだ、、、
「高倉でシテたんだ、、、」
「えっ、、、ウソ、、、わたしで、、、」
「ゴメンな、、、勝手に、、、」
「ううん、、、それは砂生くんの自由だし、、、少し、嬉しいかも、、、」
「ウソつけ、、、気持ち悪いんじゃないのか?」
「他の人は絶対に嫌だけど、、、砂生くんだったら、、、その、、わたしも砂生くんで、、、スルし、、、」
ええっ、、、冗談のつもりだったけど、、、
マズった、、、何とか誤魔化さないと、、、
「そうか、、、高倉も生徒会のシュミレーションしてる
んだ?」
「ええっ!あっ、、、そう、、そうなの、、、」
動揺バレバレ、、、
奈緒は学校一と言われるほどの美形だ。
背も170と高くモデル並の体型。
学業は常に学年トップ。
生徒たちは皆一目置く存在。
性格もクールで近寄りがたい雰囲気すら感じさせる奈緒だが副会長の大樹だけには心を開き頼りにしている。
「冗談が過ぎたようだな、、、すまなかった、、、」
「わたしも冗談だから、、、気にしないで、、、」
「分かった、、、それで何かあったのか?」
「実は、、、ハッキリ言うね、、、今日、南野さんが横川と手を繋いで歩いていたって話が広まってるの、、、」
「、、、、、」
「しかも、、、ホテルに入っ行ったって、、、」
「そうか、、、」
「驚かないんだね、、、」
「まあな、、、詳しくは言えないけど、もうすぐケリを着ける、、、わざわざありがとうな、、、」
「ううん、、、余計なことしたみたいだね、、、ゴメンなさい、、、わたし、腹が立って、、、砂生を裏切るなんて、、、わたし絶対に赦せない、、、」
奈緒がこんなに感情を露わにするのは珍しい。
よほど腹に据えかねているのだろう、、、
「高倉、、、ありがとう、、、俺のために、、、」
「わたし、、、砂生くんの味方だから、、、なんでもするから、、、」
温かい言葉が胸に染みる。
「じゃあ、、、これから本当に高倉でオナニーしていいか?」
「、、、いいよ、、、わたしも砂生くんでスル、、、」
「お前、、、優し過ぎるんだよ、、、」
「違うよ、、、砂生くんの鈍感、、、とにかくなんでも相談して、、、じゃあオヤスミ!」
なんだかキレ気味だったけど、、、
とにかく今度あったら謝ることにしよう、、、
大樹は眠りについた。
つづく
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