翌日、クラスには異様な雰囲気が漂っていた。
しきりにみんなが声をひそめて話をしている、、、
なんなんだろう、、、
まるでハルを気にするかのように周りはチラチラと視線を送ってくる。
昼休み、たまりかねたのか親しくしている男子生徒がハルに声をかけてきた。
奥山がカレンとヤッタと言っている。
合意のうえで処女をいただいた。
すごいカラダをしてたと得意気に言い触らしているらしい。
カレンの好きな男は、、、奥山だったのか、、、
あんなヤツを、、、
まさか、、、いや、信じない、、、
カレンに限って、、、
カレンも噂を耳にしたのか、睨むようにして奥山を見ている。
第一、噂が本当だったら二人はもっと親しげにしているはずだ、、、
やはり、、、そんなことはあり得ない、、、
その日のホームルーム。
担任が入ってくるなりカレンが席を立った。
「みんなに話があります。」
そう言うとハルのところにやって来た。
「ハル、、、全部ウソだからね、、、」
カレンは真っ直ぐにハルを見つめてきた。
「分かってる、、、」
それからカレンは前にでると話を始めた。
「ヘンな噂が流れているから、みんなに昨日あった本当のことをこれから話します、、、」
クラスが静まり返る。
「昨日、先生に頼まれた用事を済ませて教室に戻ると奥山くんが一人でいました、、、わたしを待っていたと言って、、、」
みんなは固唾をのんで聞いている、、、
「わたしのことを好きだと告白してきました、、、はっきりと断って教室を出ようとすると、いきなり後ろから抱きつかれました。そして胸を無理矢理触ってきて、やめてと言って抵抗してもイヤらしいことを言いながら触り続けました、、、」
奥山は青ざめていた。
おそらく噂を広めてカレンを孤立させようと考えたのだろう、、、
まさかカレンがこうして反撃してくることなど予測もしていなかったようだ。
「抵抗しながら何度もやめてと叫んだのに、俺のオンナになれ、可愛がってやると言って、わたしを無理矢理押し倒しました、、、」
「酷い、、、」
女子たちが声をあげる、、、
「服を脱がそうとする彼の胸に思いきり肘打ちを入れました、、、そして怯んだ隙に股間を膝で蹴り上げました、、、」
「スゲェ、、、」
今度は男子の声、、、
「わたしはハルに護身術を習っていたから、、、そのおかげです、、、そして痛がってる彼の手首を後ろから捻り上げました、、、」
「そんなに酷いことされたのに、、、どうしてカレンは学校に言わなかったの?」
サリナが尋ねる。
「初めはそのつもりだった、、、でも、、彼が泣いて謝ってきたから、、、知られたら退学になるって、、、人生が終わってしまうって、、、もう二度としない、近づかないし、声もかけたりしないと泣きながら言ってきた
の、、、」
「そんなこと信じたの?こんな最低なヤツを、、、」
吐き捨てるようにサリナが言った。
「許したわけじゃない、、、様子を見ようと思った、、、それなのにまるっきりウソの噂を流すから、こうして事実を話すことにした、、、」
「そんなの全部ウソだ、、、お前から誘ったクセに、、、
証拠があるのかよ?」
奥山が真っ赤になって反論する。
「証拠はあるわ、、、」
「ウソつけ、、、そんなのあるはず無い、、、」
「録音したのスマホで、、、泣きながらアナタが謝るところを、、、みんなに聞いて貰おうか?」
「やめろ、、、やめてくれ、、、」
「それ、わたしも言ったよね、、、だからわたしもやめない、、、、」
カレンはみんなの前で再生した。
つづく
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